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カメラを作れる国と自動車を造れる国の相関
Photo:SH04の次に購入したV301SMでは31万画素CCDカメラになった ©sawahajime [写真拡大]
意外に思われるかも知れないが、「まともな自動車」を造れる国にしか、国産「カメラ」メーカーが存在しない。
【こちらも】自動車を国産技術で生産できる国
●純国産で自動車を造れる国
2022年2月9日付「自動車を国産技術で生産できる国」で述べた通り、自動車を純国産で生産できる国は日本、ドイツ、アメリカしか無いと言われている。
イギリスやイタリヤも、一部を外国製に頼ってはいるが、仲間に加えても良いだろう。またスエーデンも、ボルボやサーブといった、純国産では無いがまともな自動車を造っている国はある。
●世界的に名の通ったカメラメーカー
弱小無名のメーカーを除いて、カメラメーカーがある殆どの国では、自動車も作られている。具体的に見てみよう。
例えばアメリカにはコダック、スピードグラフィック、ポラロイドがある。
ドイツにはライカ、ローライ、コンタックス、リンホフ、ミノックスがある。
スエーデンにはハッセルブラッドが存在する。
勿論、日本にはニコン、キャノン、ソニー、フジカ(富士フイルム)、パナソニック(ルミックス)、ミノルタ、ペンタックス、オリンパスと、錚々たるメーカーが存在する。
また、かってはブロニカ、マミヤ、ヤシカと名だたるメーカーが存在した。
自動車メーカー(日本自動車工業会会員企業数)が2輪メーカーも含めると14社、乗用車を生産しているメーカーだけでも7社もあるのは日本ぐらいだろうが、それに見合う位のメーカーが存在する。
残念ながら、名車を生産するイギリスやイタリヤには、名の知れたカメラメーカーは存在しない。カメラと自動車は、技術レベルが高い国にしか、まともな製品は作れない様だ。
●スマホのカメラ
昨今のスマホに搭載されるカメラ機能は、昔のフイルムカメラの性能を凌ぐ程になり、おまけに電子機器である為に、パソコン上で画像処理が可能となったので、それなりのスチル写真は勿論、高画質の動画も撮影することが可能となった。
筆者も、本来スマホ自体を持つことに拒否感があったが、スマホ操作に慣れる必要があると考えて、従来のガラケーと2台持ちとした。
ところが、メインで使うガラケーが使えなくなると、しきりにプロバイダーから脅かされた。スマホが嫌いで、通話とメールだけで十分だから、仕方無くガラホと代替したところトラブルが多発して、ブチ切れてガラホを解約したので、電話は嫌々ながらスマホがメインとなった。
だが「写真を撮るのはカメラ」だとの思い入れが強く、外出時常に持ち歩くバッグには50年以上の間、ずっと単体のカメラを入れて行動している。
●携帯カメラ普及以前は
携帯電話にカメラが搭載された当初は、カメラ無しの機種が殆どだった。
J-PhoneのJ-SH04発売時には、カメラを忌避するユーザーを想定してカメラ無しモデルも投入している。
自動車メーカーでは、特に機密保持が重視されるので、当時カメラ付き携帯を使っている取引先の人達は、受付横のロッカー保管が要求された。
しかし「部外者立ち入り禁止」で、室外の来客ブースや面談室等での打ち合わせで、来客側が自社に連絡する場合には、離れた場所の公衆電話まで行く必要があり、手近に携帯電話が欲しい場面が多くあった。
そこで本社に近い携帯ショップには、社内持ち込みが許可される「カメラ無し携帯あります」の看板を掲げる店が多数あった。
当時の携帯に搭載されたカメラ性能は、大したものでは無かったが、それでも機密に関わる写真は、記憶を辿ってイラストに起こすよりも相当大きな情報だ。当然、画像流出には特に神経を尖らせていたのだ。
●初期のカメラ付き携帯
筆者の、2000年11月発売のJ-Phone“J-SH04”に搭載されたカメラは「11万画素CMOS」だった。
次に購入した2004年2月発売の“V301SM”で、搭載カメラは「31万画素CCD」になったが、現在販売されているスマホの最大画素は1億を超えたものが販売されている。携帯電話のカメラ画素数は、20年で1000倍にもなってしまったのだ。
●スマホカメラ性能に誤魔化されない様に
最近のスマホのカメラ機能は大変進歩した。
画素数も2000年に登場した携帯電話のカメラは「20年で1000倍」にもなってしまい、1億画素を超えるものが販売されている。
ただ気をつけなければならないのは、「カメラの性能」では無くて「補正で誤魔化している」にも拘らず、あたかも高性能カメラ搭載であるかの様にPRする会社があったりするから、騙されないことだ。
●写真はカメラで撮影する
勿論、報道写真や芸術写真はカメラで撮影する。
サーキットでのモータースポーツ、スタジオでのファッション写真、山岳写真、野鳥や動物写真等々は高速モータードライブ付きカメラや大判カメラといった、用途に応じたカメラや、超望遠レンズが活躍する。
スマホ搭載のカメラ機能がどんなに進歩しても、飽くまでも「携帯式電話機の付属機能」なのである。
カメラが造れなくて、スマホで代用する国は、自動車は造れなくて、モーターと車載電池を組み合わせただけのEV車で代用しようとしていると言えよう。(記事:沢ハジメ・記事一覧を見る)
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