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マスク氏らがAI開発一時停止を訴え、AIに逆風か?
●マスク氏らがAI開発の一時停止を訴える
テスラCEOのイーロン・マスク氏や人工知能(AI)の専門家らが、AIシステムの開発を6カ月間停止することを公開書簡で呼び掛けたと、ロイター通信が報じている。
【こちらも】GPT-4よりも強力なAIの開発を停止せよと公開書簡 ウォズやマスクらも署名
独立した有識者がAI開発の安全性に対する共通規範を策定、実行、検証するまで、AI開発を停止するように呼び掛けている。
すでに、チャットボットや推測予測などに使われており、あらゆる課題を解決すると期待されているAI。
2025年には1260億ドル市場に成長すると言われているが、ここにきて大きく後退してしまうのだろうか?
●AIの歩み
AIの研究は1950年代から続いている。しかし、現在でもAIは専門家の中でも意見が分かれており、確立された定義がない。
近年、ビッグデータの出現によって、大きく進歩をしたと言われているが、まだまだ成長過程である。
アメリカの発明家で、AI研究の世界的権威であるレイ・カーツワイル氏は、2045年に人間の脳とAIの能力が逆転するシンギュラリティ(技術的特異点)に到達すると主張している。
シンギュラリティによって、雇用、生活、人体などあらゆるものに変化が訪れ、それに伴う影響を危惧する2045年問題という言葉もある。
●なぜマスク氏らは停止を求めるのか?
現在日本の企業では、AIを活用しているのは5%にも満たないとしている。
AIが本格的に人間の生活に入り込むにはまだ時間がかかりそうだ。
グーグルやマイクロソフトなどの世界的IT企業はAIを活用したチャットボットの開発を競っている。
今回、マスク氏らの書簡では、3月に開発されたチャットボット「GPT-4」を上回るシステムの開発の停止を求めている。
なぜなら、これらのシステムが根も葉もない誤情報を作り出し、それが拡散されてしまう恐れがあるからだ。悪用されるリスクもある。
例えば、武器の購入が気軽にできたり、作り方などを安易に教えてしまう可能性も否定できない。それが社会にリスクをもたらすと警鐘を鳴らしている。
だがマスク氏らも、AIそのものの必要性は認めている。仮想通貨などと同じように負の側面やそれが及ぼす悪影響に対する議論も必要になってくるだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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