【どう見るこの株】平河ヒューテックは上値試す、23年3月期大幅増収増益予想、24年3月期も収益拡大基調

2023年3月27日 13:26

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 平河ヒューテック<5821>(東証プライム)は、エレクトリックワイヤーや車載用ケーブルなどを中心とする電線・加工品、および放送用光中継器や医療用特殊チューブなどを中心とする電子・医療部品を展開している。23年3月期は電線・加工品の堅調推移や電子・医療部品の需要回復などが牽引して大幅増収増益予想としている。第3四半期累計の進捗率が高水準だったことを勘案すれば通期会社予想は再上振れの可能性が高く、さらに24年3月期も収益拡大基調が期待できるだろう。  株価は好業績を評価して昨年来高値圏だ。地合い悪化の影響で一旦は利益確定売りが優勢になったが、素早く切り返しの動きを強めている。低PERや低PBRも評価材料であり、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■電線・加工品や電子・医療部品を展開

 1948年設立で、エレクトリックワイヤーや車載用ケーブルなどを中心とする電線・加工品、および放送用光中継器や医療用特殊チューブなどを中心とする電子・医療部品を展開している。グループは同社および子会社22社で構成(22年3月期末時点)され、海外は米国、中国、フィリピン、ベトナムに展開している。高速・大容量伝送・高信頼性ケーブルを強みとしている。

 22年3月期のセグメント別実績は、電線・加工品の売上高が245億79百万円で利益(全社費用等調整前営業利益)が22億87百万円、電子・医療部品の売上高が31億67百万円で利益が4億36百万円だった。22年3月期は、電子・医療部品が医療用特殊チューブの減少、放送局の大型設備投資一巡、ネットワーク機器の専門用途品シフト・汎用品整理の影響などで減収減益だったが、主力の電線・加工品が車載用ケーブルの回復、北米におけるエネルギー産業関連ケーブルの好調、半導体検査装置用ケーブルの好調などで大幅増収増益だった。

 成長戦略としては、車載用ケーブルにおけるCASE(Connected、Autonomous/Automated、Shared、Electric)分野への注力、およびフィリピン新工場立ち上げによる供給能力増強を推進している。そして、世界車載カメラケーブル市場を上回る成長を目指し、既存顧客におけるシェア拡大と、新規OEMメーカーへの参入を図る方針としている。

■23年3月期大幅増収増益予想、24年3月期も収益拡大基調

 23年3月期の連結業績予想(22年11月2日付で上方修正)は、売上高が22年3月期比15.1%増の320億円、営業利益が27.8%増の25億円、経常利益が42.9%増の29億円、親会社株主帰属当期純利益が53.0%増の23億円としている。配当予想は22年3月期比1円増配の28円(第2四半期末14円、期末14円)としている。連続増配予想で予想配当性向は17.1%となる。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比15.3%増の246億94百万円、営業利益が38.0%増の23億81百万円、経常利益が54.4%増の26億45百万円、親会社株主帰属四半期純利益が79.5%増の22億01百万円だった。

 電線・加工品が好調に推移し、電子・医療部品の需要も回復基調となり、大幅増収増益だった。売上総利益は23.5%増加し、売上総利益率は23.7%で1.5ポイント上昇した。販管費は15.2%増加し、販管費比率は14.1%で横ばいだった。なお営業外では為替差損益が改善(前年同期は為替差損63百万円計上、今期は為替差益1億61百万円計上)した。特別利益では固定資産売却益5億64百万円を計上、特別損失に為替換算調整勘定取崩額1億44百万円を計上した。

 電線・加工品は売上高が14.0%増の216億02百万円で、利益(全社費用等調整前営業利益)が23.6%増の24億40百万円だった。半導体検査装置ケーブルや産業機器用ケーブルの需要が好調だった。車載用ケーブルは自動車メーカーの生産調整の影響を受けたが為替換算も寄与して増収、エネルギー産業関連ケーブルは第1四半期に北米における部材調達難の影響を受けたが概ね堅調に推移した。

 電子・医療部品は売上高が27.0%増の30億71百万円で、利益が72.1%増の5億93百万円だった。ネットワーク機器は専門用途品の売上が伸長した。医療用特殊チューブはコロナ禍影響から症例数が回復基調となった。

 なお四半期別にみると、第1四半期は売上高が76億89百万円で営業利益が6億01百万円、第2四半期は売上高が83億17百万円で営業利益が6億72百万円、第3四半期は売上高が86億88百万円で営業利益が11億08百万円だった。

 通期予想は据え置いている。フィリピン新拠点構築関連で約3億円の初期費用が発生するが、電線・加工品の堅調推移や電子・医療部品の需要回復が牽引して大幅増収増益予想としている。なお前提の為替レートは1ドル=140円、銅価格は8200ドル/トンとしている。セグメント別売上高の計画は、電線・加工品が13.9%増の280億円、電子・医療部品・その他の売上高が24.1%増の40億円としている。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が77.2%、営業利益が95.2%、経常利益が91.2%、親会社株主帰属当期純利益が95.7%だった。第3四半期累計の進捗率が高水準だったことを勘案すれば通期会社予想は再上振れの可能性が高く、さらに24年3月期も収益拡大基調が期待できるだろう。

■株価は上値試す

 株価は3月24日の終値は1493円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS163円73銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の28円で算出)は約1.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2165円40銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約263億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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