20日の香港市場概況:ハンセン2.7%安で反落、HSBCが6.2%下落

2023年3月20日 18:04

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記事提供元:フィスコ

*18:04JST 20日の香港市場概況:ハンセン2.7%安で反落、HSBCが6.2%下落
週明け20日の香港市場は、主要76銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比517.88ポイント(2.65%)安の19000.71ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が146.06ポイント(2.21%)安の6469.65ポイントとそろって反落した(ハンセン指数は約3カ月ぶりの安値水準)。売買代金は1294億3880万香港ドルに縮小している(17日は1649億2340万香港ドル)。


投資家の慎重スタンスが強まる流れ。欧州銀行大手の救済を巡り、金融混乱の警戒感が依然としてくすぶっている。スイス銀行最大手UBSグループは19日、スイス政府の仲介で、信用不安が続くクレディ・スイス・グループを買収することで合意したと発表した。最悪の事態は避けられたものの、買収にあたり、約2兆円相当の一部債権(AT1債、劣後債の一種)が無価値となるなど、痛手を被った投資家も多く、市場の一部からは「信用収縮」の広がりも指摘されている。中国人民銀行(中央銀行)は17日、預金準備率を0.25%引き下げると発表したが、これを好感する買いは限定された。朝方公表された3月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しては、予想通り1年物と5年物(同4.30%)がそれぞれ7カ月連続で据え置かれている。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、金融大手グループのHSBC(5/HK)が6.2%安、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(2269/HK)と江蘇省拠点の翰森製薬集団(3692/HK)がそろって5.9%安と下げが目立っている。


セクター別では、英国や香港に拠点を置く金融が安い。上記したHSBCのほか、プルーデンシャル(2378/HK)が8.3%、スタンダード・チャータード(2888/HK)が7.3%、東亜銀行(23/HK)が4.5%ずつ下落した。20日の債券市場では、一部のアジア金融機関が発行したドル建てAT1債が急落で推移。東亜銀のAT1債は、過去最大級の下落となっている。


レストランチェーンや酒造など飲食関連もさえない。海底撈国際HD(6862/HK)が5.1%安、百勝中国HD(9987/HK)が4.1%安、九毛九国際HD(9922/HK)が3.5%安、百威亜太HD(1876/HK)が4.7%安、青島ビール(168/HK)と華潤ビールHD(291/HK)がそろって4.3%安で引けた。


半面、産金銘柄は高い。招金鉱業(1818/HK)が11.0%、中国黄金国際資源(2099/HK)が7.0%、霊宝黄金(3330/HK)が6.8%、紫金鉱業集団(2899/HK)が4.0%ずつ上昇した。金スポット価格は20日、2022年3月以来となる1オンス=2000米ドル台で推移している。


他の個別株動向では、新興電気自動車(EV)メーカーの小鵬汽車(9868/HK)が1.6%高。同社は17日引け後、10〜12月期決算の赤字幅は前年から拡大する見通し――と報告したが、市場には「悪材料の出尽くし」との見方が広がった。このほか、非鉄の洛陽モリブデン集団(3993/HK)が1.5%高。通期決算の2割増益が好感された。


一方、本土市場は反落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.48%安の3234.91ポイントで取引を終了した。通信・ネットワーク関連株が安い。医薬品株、酒造・食品株、エネルギー株、公益株、不動産株、素材株なども売られた。半面、ITハイテク株は高い。銀行株、自動車株も買われた。

亜州リサーチ(株)《CS》

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