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マスクはまだ外せない? 過去10年で最多の飛散が見込まれるスギ花粉
花粉症は、およそ2人に1人は発症するほどの国民病と言っても過言ではない[写真拡大]
ここ数年、生活必需品のようになっていたマスクの着用について、政府が方針を決定した。3月13日からのマスク着用は、屋内・屋外問わず個人の判断に委ねる方針になる。一部マスクの着用を推奨するケースはあるが、コロナ禍のような、国民全員がマスクを着用するというようなことは無くなりそうだ。しかし我が国では、コロナ禍とは別に、国民の大半がマスクを欠かせない時期が、奇しくも同時期にやって来る。理由は「花粉症」だ。
花粉症患者は、年々増加し続けている。日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会などが、全国の耳鼻咽喉科医とその家族を対象とした鼻アレルギーの全国調査によると、1998年の花粉症有病率が19.6%だったのに対し、2019年は42.5%だった。花粉症は、およそ2人に1人は発症するほどの国民病と言っても過言ではない。短期間での増加数を踏まえれば、コロナ禍のような、国民全体がマスクを着用する時代も遠くないかもしれない。
加えて今年の花粉飛散量は、過去10年で最多の恐れがある。花粉症患者の大半を悩ませるスギ花粉の飛散量の多さは、雄花の発芽数を示す着花量で決まる。昨年の11月〜12月に環境省が調査した結果によれば、関東、北陸、近畿、中国などの地方で過去10年間の最大値を超えており、「花粉飛散は極めて多くなる」そうだ。
そもそも花粉症は、花粉に対して人間の身体が起こすアレルギー反応だ。したがってそもそも花粉を吸い込まないことが重要になってくる。マスクの着用はもとより、日中の気温が高めは晴天や、風が強い日など、花粉が飛散しやすい気象条件での外出を控えたり、帰宅時の服についた花粉を落とすなど、自宅に持ち込まない努力も大切になってくる。もし発症した場合は早めの治療が必要になるが、最新の研究では、症状を軽減したり発症時期を遅らせる効果があるとして、プロポリスが注目を集めている。
国内大手ミツバチ産品メーカーの山田養蜂場が運営する研究拠点「みつばち健康科学研究所」の研究によれば、アレルギー反応でかゆみを起こさせる物質「ヒスタミン」を与える前にあらかじめプロポリスを投与すると、かゆみが軽減することが明らかになった。そのほか、花粉症が発症するまでの日数を延長させたり、鼻づまりの発症率を減少させたりするなど、ミツバチが作り出すプロポリスの有用性が解明されている。今後の研究成果にも期待したい。
国民病とまで言われる花粉症に対し、政府も花粉の多い木の抜き伐りや、花粉の少ないスギへの品種改良など、様々な取り組みをしている。しかし、年によって飛散量が大きく変わる花粉を、コントロール出来ていないのが現状だ。過去10年で最多ともなれば、昨年まで花粉症を発症していない人も油断はできない。可能な限り花粉を避け、個人個人で日々の対策を怠らないことが大切になるだろう。マスク生活は、もう少し続きそうだ。(編集担当:今井慎太郎)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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