ジャパンフーズは23年3月期3Q累計経常小幅増益、通期営業・経常黒字転換予想据え置き

2023年2月6日 15:07

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

(決算速報)  ジャパンフーズ<2599>(東証スタンダード)は2月3日の取引時間中に23年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。エネルギーコストの想定以上の高騰がマイナス要因だったが、受託製造数の増加や生産性向上等によるコスト改善効果などで吸収して経常小幅増益だった。そして通期の営業・経常黒字転換、最終大幅増益予想を据え置いた。行動制限解除に伴って国内飲料需要の緩やかな回復が見込まれ、新製品の受注や低重心経営による生産性向上効果なども寄与する見込みだ。新製品や新領域の受注など、積極的な事業展開で収益回復を期待したい。株価は昨年来安値圏でのモミ合いから上放れの動きを強めている。下値固めが完了したようだ。23年3月期第3四半期累計業績に対してもややポジティブな反応となった。低PBRも評価材料であり、出直りを期待したい。

■3年3月期3Q累計営業赤字縮小・最終減益、通期予想据え置き

 23年3月期第3四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比2.0%増の76億32百万円、営業利益が31百万円の赤字(前年同期は46百万円の赤字)、経常利益が3.6%増の1億54百万円、親会社株主帰属四半期純利益が13.7%減の1億48百万円だった。

 エネルギーコストの想定以上の高騰がマイナス要因だったが、受託製造数の増加や生産性向上等によるコスト改善効果などで吸収して経常小幅増益だった。親会社株主帰属四半期純利益は減益だった。中国事業の新ライン増設に伴うコスト増加で事業取込利益が減少した。ただし概ね計画水準だったとしている。なお親会社株主帰属四半期純利益(24百万円減益)の増減分析は、受注増加が+60百万円、生産性向上等(コスト改善)が+3億55百万円、エネルギーコスト上昇が▲3億80百万円、事業取込利益が▲60百万円だったとしている。

 国内飲料受託製造事業は、受託製造数が2.3%増の2868.0万ケース、セグメント利益(調整前経常利益)が17百万円の赤字(前年同期は79百万円の赤字)だった。受託製造数が増加し、生産性向上等によるコスト改善効果なども寄与して赤字縮小した。

 海外飲料受託製造事業(中国の持分法適用会社、連結対象期間22年1月~9月)は売上が順調だったが、利益は新ライン増設に伴うコスト増加で30.5%減の1億44百万円だった。その他事業(水宅配事業および水宅配フランチャイズ事業)の利益は、価格改定も寄与して33.5%増の29百万円だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が27億97百万円、経常利益が3億88百万円、親会社株主帰属四半期純利益が2億87百万円、第2四半期は売上高が31億55百万円、経常利益が5億82百万円、親会社株主帰属四半期純利益が4億24百万円、第3四半期は売上高が16億80百万円、経常利益が8億16百万円の赤字、親会社株主帰属四半期純利益が5億63百万円の赤字だった。飲料業界は夏場が需要期、冬場が不需要期のため、冬場の下期が赤字となる季節特性がある。受託製造数は第1四半期が1106.9万ケース、第2四半期が1157.6万ケース、第3四半期が603.5万ケースだった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が22年3月期比9.6%増の105億円、営業利益が4億円(22年3月期は3億87百万円の赤字)、経常利益が5億50百万円(同1億71百万円の赤字)、親会社株主帰属当期純利益が26.3%増の4億50百万円としている。配当予想は22年3月期と同額の27円(第2四半期末10円、期末17円)としている。

 親会社株主帰属当期純利益(22年3月期比94百万円増益)の増減分析は、前期の一過性利益(特別利益)の反動減が▲4億10百万円、受注増加が+5億50百万円、生産性向上等(コスト改善)が+4億60百万円、エネルギーコスト上昇が▲435百万円、事業取込利益が▲70百万円の計画としている。

 飲料業界は夏場が需要期、冬場が不需要期のため、同社の業績も上期偏重の季節特性があるが、通期ベースで増収、営業・経常黒字転換、そして最終大幅増益予想としている。受託製造数の計画は14.0%増の4150.0万ケースとしている。第3四半期累計の進捗率は低水準の形だが、第4四半期は新製品の受注が寄与する見込みであり、低重心経営による生産性向上の更なる進捗によってエネルギーコスト上昇の影響が緩和される見込みとしている。新製品や新領域の受注など、積極的な事業展開で収益回復を期待したい。

■株価はモミ合いから上放れの動き

 株価は昨年来安値圏でのモミ合いから上放れの動きを強めている。下値固めが完了したようだ。23年3月期第3四半期累計業績に対してもややポジティブな反応となった。低PBRも評価材料であり、出直りを期待したい。2月3日の終値は1098円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS93円31銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の27円で算出)は約2.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1511円93銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約56億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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