【注目銘柄】VTHDは株主優待一部変更を織り込み下げ過ぎ修正期待の打診買いが交錯

2023年1月6日 09:02

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 VTホールディングス<7593>(東証プライム)は、大発会の4日に前年大納会の終値と変わらずの472円で引けた。ただ下ヒゲでつけた取引時間中の安値464円からは小戻しており押し目買いも交錯した。同社株は、昨年12月26日に株主優待制度の一部変更と今2023年3月期の期末配当の増配を発表し、株価は窓を開けて売られたが、優待制度変更では100株以上保有の株主には現行の購入割引券贈呈などを継続し、増配により年間配当利回りが、4.97%に高まることを見直し、下げ過ぎ修正が打診された。

■一律優待制度は継続し期末配当は特別配当を上乗せし連続増配

 同社の株主優待制度は、100株以上保有の株主を対象とする一律優待と1000株以上を保有する株主を対象とする優待制度の二本立てとなっていた。一律優待は、新車・中古車購入時の割引券3万円などを贈呈し、1000株以上の株主には保有株式数に応じてカタログギフト5000円相当などを贈呈する。変更して廃止とするのは、このうち1000株以上の優待制度で、一律優待制度は継続する。今期配当は、期末に特別配当0.5円を増配し、年間23.5円(前期実績22円)と連続増配幅を拡大させる。なお株主優待制度は、すでに昨年8月に基準日を3月31日から9月30日に変更しており、今回の優待制度変更の影響を受けない。

 一方、今2023年3月期業績は、中間期業績、通期業績ともすでに2回上方修正された。このうち3月期通期業績は、売り上げ2600億円(前期比9.3%増)、営業利益125億円(同22・6%増)、経常利益125億円(同30.4%減)、純利益75億円(同35.8%減)と見込み、営業利益は、期初の減益転換予想が連続増益となり、経常利益、純利益は期初の減益転換予想の減益率が縮小する。自動車販売関連事業では海外新車販売が堅調に推移するとともに、中古車での高価格車販売が増加し、住宅関連事業では、中部圏の建築会社を連結子会社したことがサポートし、連結子会社化による負ののれん発生益18億円が上乗せとなったことなどが要因となった。なお同社は、前期にKeePer技研<6036>(東証プライム)の自己株式買付取引に応募して一部保有株を売却し特別利益70億円を計上しており、これが一巡することで経常利益、純利益は減益転換する。

■PER7倍、配当利回り4.9%の修正で21年9月高値へ100円高も

 株価は、今期業績の減益転換予想で438円まで売られ昨年来安値435円目前となったが、今期業績の1回目の上方修正で500円台に乗せ、2回目の業績上方修正に北海道の自動車ディーラーの連結子会社化が続いて昨年来高値518円まで上値を伸ばした。同高値から優待制度変更が悪材料として意識され窓を開けて急落し落ち着きどころを模索中である。PERは7.2倍、配当利回りは4.97%と売られ過ぎを示唆しており、まず昨年来高値を奪回し、2021年9月高値595円を目指す100円高も想定範囲内となりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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