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2023年は株式分割で東証が活発化か!?
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●東証が要請!株式分割する企業が続々
2022年10月以降、株式分割に踏み切る企業が増えている。10月1日には値がさ株の象徴だった任天堂が1株を10株にし、日本郵船や川崎汽船、東京海上HD、ラウンドワンなども株式分割を行っている。
【こちらも】ファーストリテイリングも実施 株式分割のメリットとデメリットは?
2023年も1月(効力発生)にロート製薬、3月にはファーストリテイリング、4月には明治HDなど続々と大企業の株式分割が控えている。
東京証券取引所(東証)は2022年10月27日、投資単位が50万円を超える上場企業に対し、株式分割の実施検討を呼び掛けている。個人投資家が投資しやすい、5万円~50万円水準の維持と移行を要請した。
背景には岸田政権の貯蓄から投資への政策があり、今後もこの流れは続くと考えられる。株式分割は買い材料と言われるが、2023年以降、株式分割で株式相場は活況するのだろうか?
●株式分割のメリット・デメリット
まず、株式分割をすることで、株が取得しやすくなり、株主が増えることは大きなメリットである。市場からすれば、先行きに自信があるという受け止め方もできる。
一方で、投資の神様バフェット氏は、株式分割は業績を改善するものでなく、企業価値を高めるわけではないと述べており、否定的な意見もある。
株主が増えることで、送付文書や株主優待などの管理コストが増えること、質の悪い株主が増えて対応に苦慮するなどのデメリットも無視できない。
個人投資家が増えることで機関投資家が離れ、流動性が下がることも考えられる。
●株価は上昇するか?
新NISAへの移行も控える中で、個人投資家が参入しやすい環境を整えるという意味でも株式分割は効果があるだろう。
ただ、つみたて投資をしている投資家や、ETF買いが中心の投資家にはあまり恩恵がない。
若い人を中心に、すでに単元未満株で取引きしている人も増えており、株式分割は短期売買を助長しかねず、長期投資を促す流れに逆行する。
東証プライム上場の時価総額などの条件を満たすために、株式分割をする企業も出てきかねない。
株式分割が発表される時は株価が上昇しても、上昇が長続きしないことも多い。株式分割だからと安易に買わず、銘柄によって、株式分割の目的と業績などのファンダメンタルズを見極めた方がよさそうだ。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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