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5600万年前の温暖化、地球軌道変化が原因に ペンシルバニア州立大の研究
メリーランド州でサンプルを取得している学生や研究者ら。(画像: ペンシルバニア州立大学の発表資料より(c)Penn State)[写真拡大]
人類文明は排出ガス増加をもたらし、大気中の二酸化炭素濃度上昇が、気候変動問題を深刻化させた。その弊害は21世紀に入り、より顕著となり、日本列島では毎年のように巨大台風が襲来し、災害列島の様相を呈している。だが地球温暖化をもたらす張本人は、人類が排出するガスだけでなく、もっと大きな力が作用する可能性があるとの研究結果が公表された。
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ペンシルバニア州立大学は13日、今からおよそ5600万年前に起きた地球温暖化は、現在人類が経験している温暖化によく似ており、当時の状況を詳しく調べることにより、将来人類が経験する可能性がある気候変動の予測に繋がるかもしれないとの研究成果を発表した。
同大学の研究者らを中心とする国際研究チームでは、5600万年前の温暖期に堆積されたメリーランド州ハワーズトラクトの地層を調査。当時の炭素放出量を推定したところ、温暖化の期間が6000年間にも及び、その間に温室効果ガスである二酸化炭素またはメタンとして10兆トンの炭素が、大気中に注入されたことが判明したという。
この数字は、年間排出ガス量に換算すれば、実は現在の人類による年間温暖化ガス排出量の方が5倍~10倍も多いという。
ところで地球の気候変動には、ミランコビッチサイクルなるものがあり、2.3万年周期の歳差運動、4.1万年周期の地軸傾きの変化、10万年周期の離心率の変化という、3つによる日射量の周期変動に起因するとされる。だが本研究では、当時の温暖化には地球の歳差運動と離心率変化とに明確な相関があることを、地層の分析結果から結論付けた。
以上をまとめると、5600万年前に約6000年間、地球の平均気温を4~5度上昇させる温暖化が起発生。これは地球の軌道変化によって日射量が増え、生命活動の活発化で二酸化炭素やメタンの排出量が増加したために起こったものだったという結論になる。
現在、人類はその時の5~10倍にも及ぶ温暖化ガスを排出しており、その懸念は当時とは比べ物にならないくらい深刻なものになりそうだ。なお今回の研究成果は、Nature Communicationsにて発表されている。(記事:cedar3・記事一覧を見る)
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