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11月の倒産件数、8カ月連続で前年上回る コロナ支援希薄化で小規模倒産も増加
東京商工リサーチが11月の企業倒産状況を発表し、新型コロナ対策の支援策が希薄化したこともあって、中堅や小規模企業を中心に倒産件数が増加していることが分かった。
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■中堅・大型企業の倒産も増加
8日、東京商工リサーチが2022年11月の倒産状況を発表した。11月度の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)件数は前年同月比13.9%増の581件となり、8カ月連続で前年同月を上回った。8カ月連続で前年を上回るのは、2020年4月以来、2年7カ月ぶり。
負債総額は同22.8%増の1,155億8,900万円となり、2カ月ぶりに前年を上回った。主な大型倒産には、静岡県で鶏卵生産を手掛ける富士たまご(負債額:119億9,100万円、以下同じ)、医療機器卸売業のジェミック(95億5,900万円)、養鶏業のイセファーム東北(77億6,900万円)、不動産業のセントラルシティ(55億円)、養鶏業のかすみがうら農場(52億3,400万円)など。
負債1,000万円以上1億円未満の小規模・零細企業の倒産件数は429件と、全体の73.8%を占める。同1億円以上5億円未満は116件(前年同月から4件増、以下同じ)、同5億円以上10億円未満は23件(8件増)、同10億円以上の大型倒産が17件(4件増)と、中堅・大型企業の倒産も増えている。
■8産業で倒産件数が前年上回る
産業別の倒産件数で最も多いのはサービス業他の178件(前年同月比:13.4%増、以下同じ)で、唯一100件越えの産業となった。ついで建設業が99件(12.5%増)、卸売業が74件(2.8%増)、製造業が69件(7.8%増)、小売業が63件(3.1%減)など。
倒産件数が前年を上回ったのは、先の4業種のほか農・林・漁・鉱業(倒産件数:19件、前年同月比:約3倍、以下同じ)、不動産業(23件、27.8%増)、運輸業(30件、42.9%増)、情報通信業(25件、47.1%増)の8産業。小売業とともに前年を下回ったのは金融・保険業(1件、50.0%減)の2産業。
また、新型コロナウイルス関連の倒産件数は前年同月比22.9%増の214件。2020年2月からの累計倒産件数は4,508件となっている。
■小規模企業の倒産件数も前年上回る
同日発表された11月の負債1,000万円未満の企業倒産件数は、前年同月比18.9%増の44件となり、11月としては4年ぶりに前年同月を上回った。また前月比では、8月の倒産件数24件から3カ月連続で増加している(9月:31件、10月:36件)。
産業別で最も倒産件数が多かったのはサービス業他の21件(前年同月比:10.5%増、以下同じ)。ついで建設業が7件(133.3%増)、小売業が7件(12.5%減)、製造業が3件(50.0%増)、情報通信業が2件(前年と同数)、卸売業、金融・保険業、運輸業が各1件(いずれも前年と同数)、農・林・漁・鉱業はゼロだった。
■新型コロナ関連の倒産が増加
倒産の原因で最も多かったのは「販売不振」で28件(前年と同数)。ついで「他社倒産の余波」が8件(前年の8倍)、「事業上の失敗」が4件(前年の4倍)、「運転資金の欠乏」が2件(前年と同数)、「既往のシワ寄せ(赤字累積)」が1件(前年と同数)、代表者の病気や死亡を含む「その他」が1件(前年同月比:75.0%減)となっている。
また新型コロナ関連の倒産件数は17件(前年同月比:142.8%増)で、小規模倒産全体に占める割合は38.6%と、前年同月の18.9%から約2倍に増えている。
倒産の形態別で最も多いのは「破産」の42件(前年同月比:16.6%増)で、小規模倒産の95.4%を占めている。残りの2件は民事再生法。
新型コロナの感染拡大から約3年が過ぎたことで、企業向けの支援効果が薄れつつあるため、資金余力の乏しい中小企業を中心に倒産が増えている傾向にあるという。(記事:県田勢・記事一覧を見る)
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