ベクトル、多木化学、エーザイなど/本日の注目個別銘柄

2022年11月29日 15:33

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記事提供元:フィスコ

<6981> 村田製 7448 -123続落。アップルのスマートフォン「iPhone」を組み立てる中国の工場で混乱が生じ、約600万台の「iPhoneプロ」の生産不足に陥る可能性が高いなどと伝わった。新型コロナ感染制限措置や待遇に不満を募らせた従業員と警備員が衝突した。ロックダウン長期化の動向次第では、生産にさらに悪影響が及ぶ可能性があるとされる。アルプス<6770>や太陽誘電<6976>など電子部品関連の一角にも売りが広がった。

<4523> エーザイ 8988 -596大幅反落。バイオジェンと共同開発しているアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」との関連性が考えられる2例目の死亡が報告されたもよう。治験に参加していた65歳の女性が脳卒中と脳浮腫を発症し脳出血で死亡したようだ。同社では関連性を否定している。「レカネマブ」はアルツハイマー病治療薬としての期待が高まっているが、承認に対する不透明感の強まりへとつながる形に。前日の米国市場ではバイオジェンも大幅安に。

<1801> 大成建 4220 +30反発。野村證券は投資判断を「ニュートラル」から「バイ」に、目標株価も4500円から5200円に引き上げた。大手ゼネコン各社は採算重視のスタンスに舵を切り始め、今後、国内建築における大型案件での価格競争は緩和方向と考えているもよう。施工キャパシティに余裕ある同社は競争緩和の恩恵を享受すると評価。なお、日建連発表の10月の国内建設民間受注額は10月単月として過去10年で最高水準になった。

<5233> 太平洋セメ 2196 +47大幅反発。野村證券では投資判断を「ニュートラル」から「バイ」に格上げ、目標株価も2390円から2880円に引き上げている。23年夏にかけて国内セメントの値上げが進むと予想、燃料価格のピークアウトもあり、25年3月期には国内セメント事業の黒字化を予想としている。株式市場の注目点が来期以降の業績回復に映る局面のなか、評価基準とする25年3月期営業利益は512億円から600億円に上方修正している。

<6058> ベクトル 1342 +114急伸。SBI証券では投資判断を新規に「買い」、目標株価を1890円としている。主力のPR・広告事業において、ストック性の高いリテナー収益をベースに、成長性が高いデジタルマーケティング領域の売上が増加することで、新たな成長ステージを迎えると評価しているもよう。23年2月期営業利益は会社計画を上回る65.3億円を予想、24年2月期以降も2ケタ成長見込みと、最高益更新が続くと見込んでいるもよう。

<4025> 多木化学 5370 -440大幅反落。バカマツタケの商業生産設備の着工について、23年以降に延期すると発表。バカマツタケが市場評価を受ける段階に達したと判断、11月より飲食店などで品質及び調理品の評価を行っている。設備着工はその評価に基づき市場性を見極めたうえで判断するとしている。1月のリリースでは、22年度内の試験販売、商業生産設備の着工を目指すとしていたが、業績寄与のタイミングのずれ込みを嫌気する動きが先行した。

<2734> サーラ 744 -30大幅続落。本日は11月配当権利落ち日で、処分売りの動きが優勢に。同社は11月末に14円の配当を計画、年間配当金では25円となっている。また、500株以上の株主に対しては、1000円分の株主優待券を贈呈している。500株保有の株主にとって、前日終値をベースにした配当・優待利回りは3.5%程度になる。本日はジャステック<9717>、ファーストブラザーズ<3454>なども権利落ちで売られた。

<4028> 石原産 1132 +52大幅続伸。いちよし証券ではレーティング「A」を継続し、フェアバリューを2400円から2600円に引き上げた。足元業績の厳しさは織り込み済みであり、むしろ、好材料に注目したい局面と判断している。農薬は既存殺菌剤・次期主力剤が好調ななか、動物薬も米国販売がスタート。また、MLCC材料は村田との協業強化で今後の期待が大きい。配当性向 30%に基づき、24年3月期配当予想は70円に引き上げている。

<6584> 三桜工 677 +7続伸。主力製品の一つであるブレーキ配管を、ステランティス・グループの PCA Automobiles Indiaより、小型 SUV向けに受注したと発表。受注額などは明らかになっていないが、ステランティス・グループとの初取引に当たり、顧客基盤の拡大、並びに成長期待の高いインド市場での展開力強化につながるとの期待が先行した。また、トヨタ向けに欧州域内調達ブレーキチューブの供給を開始とも発表。

<3446> ジェイテックコーポレ 2134 +73大幅続伸。大阪大学とプラズマ援用研磨装置およびプロセスに関するノウハウ供与契約を締結したと前日に発表。同社は大阪大学の独自加工技術「触媒基準エッチング法」や「プラズマ化学気相加工法」の導入を図り、半導体分野などに向けて装置開発・製造・販売を進めており、その流れの一環となる。化合物半導体の加工効率の向上が期待され、パワー半導体の市場拡大につながるともみられているようだ。《ST》

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