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コロナ禍の勝ち組だったスシローの凋落!? 復活のカギは?
●スシローが72.6%の減益
回転寿司大手「スシロー」などを運営するフード&ライフカンパニーズは4日、2022年9月期決算を発表。純利益は前期比72.6%減の大幅な減益となった。
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円安による食料調達コストに加え、寿司の在庫がない状態で広告を続けるいわゆる「おとり広告」などの不祥事が打撃となった。
コロナ禍の勝ち組と言われ、株価もコロナ前の2倍以上に上昇したスシローだったが、今や年初来の半値まで下落し、コロナ前の水準近くまで低下している。
1984年の創業以来、1皿100円(税抜)の価格を店舗効率化などで守ってきたが(都市型店舗などを除く)、10月から税込みで120円に値上げせざるを得なくなった。スシローに勝機はあるのだろうか?
●コロナ禍で好調だったスシロー
コロナ禍で外食産業が苦しむ中、デリバリー戦略が奏功し、順調に売上を伸ばしてきたスシロー。緊急事態宣言下の時短営業の協力金も、追い風になっていた。
セルフレジや自動案内機などの非接触型サービスに、テレワークの普及もあり、郊外に住む人にとって気軽に入れる外食としても人気が上昇。
都心にもテイクアウト専門店を出店するなど、攻勢をかけており、寿司だけでなく、サイドメニューの充実にも注力していた。
●再び反転するカギは?
円安はしばらく続きそうで、1ドル110円~120円台の水準に戻ることは、当分期待できない。
不祥事もおとり広告だけでなく、マグロの種類偽装疑惑や、ビール半額キャンペーンを掲出しながら定価料金を受け取るなど、続々と噴出。企業体質を疑問視する声もある。
他の回転寿司チェーンでは、くら寿司も2022年10月期決算が当初の黒字から営業赤字予測に転落しており、苦境が見える。ただ、これまで好調だったけに、スシローの転落は業界の中でも目に付く。
一方で、コロナ規制緩和による海外店舗の売上が寄与し、売上高は増加している。
フード&ライフカンパニーズは、海外出店を積極的に進め、2024年9月期までに全体の約2割にまで高める計画がある。
寿司は外国人から人気が高く、インバウンド再開の恩恵も期待できる。
回転寿司業界全体が急速に成長しており、競争は激化している。その歪みがスシローの不祥事の原因と指摘する声もある。まずは足元を見つめなおすことが優先事項ではある。
魚の仕入れ値は今後も厳しいと言われえるが、円安を活かしたインバウンドも含め、海外戦略が復活へのカギになるかもしれない。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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