ジェイ ダブリュー アンダーソン 2023年春夏ウィメンズコレクション - ディスプレイとしての衣服

2022年10月20日 08:24

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記事提供元:ファッションプレス

 ジェイ ダブリュー アンダーソン(JW Anderson)の2023年春夏ウィメンズコレクションが発表された。

■イメージの自在な操作

 クリックひとつでイメージを引っ張り出し、自在に拡大、縮小し、組み合わせる平面──コンピューターのディスプレイの謂いだ。今季のジェイ ダブリュー アンダーソンは、多彩なイメージを気の赴くままに編集できるディスプレイ。たとえばタイトなボディスーツには、さながらインターネットに漂流しているかのようなイルカ、真昼や夕暮れの光に染まるヤシの木のイメージが大胆にのせられている。

 ディスプレイの上では、位置も、大きさも向きも自由自在。シワ加工を施したTシャツはオーバーサイズで、フロントには主役さならがにタグをオン。ブラカップはワンショルダーのワンピースに。トップスにはキーボードのキーを散りばめて。タートルネックのニットはその上下を反転。あるいはデニムパンツのウエスト周りは、ノースリーブトップスのスタンドカラーとして組み合わせられている。

 衣服はディスプレイであるばかりでなく、確かな実体をも伴っているものの、その素材感ゆえに異化作用をもたらす。魚の姿をプリントしたトップスは、さながらビニール袋を拡大したかのよう。ハンモックを彷彿とさせるネットもワンピースに。さらに、楕円形のオブジェクトを用いたドレスは、その最たる例だといえる。

※本記事はファッションプレスニュースから配信されたものです。ファッションプレスでは、ブランド、デザイナー情報、歴史などファッション業界の情報をお届けしています。

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