ノーベル生理学・医学賞、スヴァンテ・ペーボ氏に 絶滅人類と現生人類の遺伝子的差異発見

2022年10月5日 08:09

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記事提供元:スラド

headless 曰く、  2022 年のノーベル生理学・医学賞はスウェーデン出身のスヴァンテ・ペーボ氏が受賞した。授賞理由は絶滅人類のゲノムと人類の進化に関する彼の発見(プレスリリース)。

ペーボ氏は不可能と思われていたネアンデルタール人のゲノムシーケンスを実現。それまで知られていなかったデニソワ人も発見した。さらにはホモ・サピエンスがおよそ 7 万年前にアフリカを出たのち、これらの絶滅人類からの遺伝子導入が発生していたことも発見している。この遺伝子導入は我々の免疫システムの感染への反応などに影響を残しており、現在でも生理学的に重要である。

ペーボ氏の重要な研究は「古ゲノム学」というまったく新しい科学研究分野を誕生させた。現生人類と絶滅人類の遺伝子的な差異を明らかにしたペーボ氏の発見は、我々ホモ・サピエンスと他の人類を異なるものにしたのは何か、という人類の長年の疑問を解く研究の基礎となっている。

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