チャームケア、日製鋼所、INPEXなど/本日の注目個別銘柄

2022年5月10日 15:30

印刷

記事提供元:フィスコ


<7751> キヤノン 3130 +83大幅続伸。発行済み株式数の1.9%に当たる2000万株、500億円を上限とする自己株式の取得実施を発表している。取得期間は5月10日から8月4日まで。資本効率の向上を図るとともに将来の株式交換など機動的な資本戦略に備えることが目的としている。今後の需給改善につながるとの見方が優勢に。自社株買いは2020年2月以来、約2年ぶりとなることで、インパクトも強まる形のようだ。

<8113> ユニチャーム 4275 +55一時急落も反発。前日に第1四半期決算を発表。コア営業利益は299億円で前年同期比4.5%減益となった。原材料費や物流費の上昇で減益となったが、市場予想は10億円程上振れている。一方、通期予想は、原材料費上昇による減益影響を上乗せしているが、従来計画の1270億円、前期比3.7%増を据え置いている。業績下振れ懸念などが和らいでいるようだ。

<1605> INPEX 1471 -127急落。前日のNY原油相場では、6月限WTI原油先物価格が前営業日比6%強下落の1バレル=103.09ドルにまで下落。都市封鎖による中国景気の減速懸念の強まりから、原油需要が伸び悩むとの見方が優勢となっているもよう。また、時間外取引では、EUの対ロ制裁強化に一部見送り観測も台頭し、一時100ドル台にまで一段安となっている。原油高メリット銘柄である同社など石油株は全般売り優勢となっている。

<9101> 郵船 9270 -450大幅続落。前日の前引け後に22年3月期決算を発表、その後やや売り優勢となったが、本日は一段の地合い悪化も重なり下げ幅が広がった。22年3月期経常益は1兆32億円で前期比4.7倍と拡大、年間配当金は従来計画比250円増の1450円。一方、23年3月期経常益は7600億円で同24.2%減、年間配当金は前期比400円減配の1050円と計画。利回りは10%超の水準だが、減配幅の大きさを嫌気。

<5947> リンナイ 8740 +610大幅反発。22年3月期決算を本日発表している。営業利益は359億円で前期比11.9%減益となり、第3四半期決算時に下方修正した水準での着地となった。一方、23年3月期は410億円で同14.3%増と2ケタ増益見通し。また、年間配当金は前期の140円から150円への引き上げを計画。さらに、発行済み株式数の3.01%に当たる150万株、100億円を上限とする自社株買い実施も発表している。

<2212> 山崎パン 1697 +41大幅反発。野村證券では投資判断「バイ」を継続で、目標株価を1800円から1950円に引き上げた。高シェアを背景とした値上げ力を有するため、22年12月期にパン製品を2度値上げするのに続き、23年12月期もコモディティ市況高を値上げでカバーできるとみている。子会社群の損益改善が予想以上であり、中期の利益予想を上方修正、22年12月期営業利益はコンセンサスを30億円程度上回る255億円と。

<3563> F&LC 3180 +230急伸。9日、子会社の株式会社あきんどスシローが展開するスシロー全店で、10月1日より価格の改訂などを行うと発表。円安や水産資源の減少等による食材調達コスト、物流費、地代、人件費の高騰などが要因。郊外型店舗では黄皿を現行価格・税込110円から120円、赤皿を165円から180円、黒皿を330円から360円に値上げ。昨年9月高値からの株価下落率は一時47%にも達しており、採算改善期待が高まった。

<5631> 日製鋼所 2554 -471大幅続落。子会社が生産する鉄鋼部材の検査データに不正があったと伝わり、前日はストップ安まで売られ、本日も嫌気売りの流れが続いた。対象製品は火力発電所用タービン・発電機用ローターシャフトなどで、同製品の売上規模は100 億円程度とみられる。1998年から不適切行為が実施されていたもようで、リコール実施に伴う影響の大きさが懸念されている。また、調査完了が10月末めどと時間を要することなども嫌気。

<3612> ワールド 1350 +52大幅反発で高値更新。前日に22年3月期の決算を発表、コア営業利益は53.9億円と黒字転換、従来計画52.8億円をやや上振れ着地に。また、23年3月期は125億円で同2.3倍と大幅増益の見通し。ブランド事業の構造改革効果のフル寄与に加え、ナルミヤ・インターナショナルの連結効果が年間を通して収益を押し上げると見込んでいる。年間配当金も前期の27円から48円にまで大幅増配を計画している。

<6062> チャームケア 1072 -226急落で下落率トップ。前日に第3四半期決算を発表。累計営業利益は18.2億円で前年同期比20.7%増益、上半期の同20.3%減から一転して増益に転じた。ただ、不動産開発の新規事業の利益貢献が大きく、介護事業の累計セグメント利益は同15.1%の減益になっている。ライク子会社に伴う費用計上などもあったもようだが、業績は計画を下回る推移となっているとされ、ネガティブな反応が強まっている。《ST》

関連記事