2021年度の国内新車販売、軽含め3年連続マイナス 登録車は5年連続前年割れ

2022年4月10日 17:53

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記事提供元:エコノミックニュース

2021年度、国内新車販売で僅差で首位をキープしたホンダのベストセラー「N-BOX」 軽乗用車新車販売台数において7年連続の首位獲得

2021年度、国内新車販売で僅差で首位をキープしたホンダのベストセラー「N-BOX」 軽乗用車新車販売台数において7年連続の首位獲得[写真拡大]

 日本自動車販売協会連合会(自販連)ならびに全国軽自動車協会連合会(全軽自協)の発表によると、2021年度(2021年4月~2022年3月)の国内新車販売台数(軽自動車含む)は、前年同期比9%減の421万5826台だった。世界的な半導体不足が解消せず、国内生産現場でも休業が相次ぎ、新車販売は1976年度以来45年ぶりの低水準だ。生産が需要に追いつかず、販売台数が落ちこむ状況といえる。

 新車販売の前年同期比でのマイナスは3年連続となった。普通車(登録車)は5年、軽自動車は3年続けて前年実績割れだ。421万台という水準は、エコカー補助金の終了や東日本大震災で販売が落ちこんだ2010年度の460万台を下回り、1976年度の420万台に次いで少ない。

 軽自動車を除く登録車は8.2%減の266万855台で、統計を始めた1968年度以来、過去2番目の低水準だ。軽自動車は11.5%減の155万4971台で、1997年度以来24年ぶりの低水準となった。

 そんななか、ホンダの軽乗用車「N-BOX」が2021年度における販売台数で1位。次点(トヨタ・ヤリス)に100台と少々の僅差の19万1534台(前年同期比96.8%)を達成、登録車を含む新車乗用車販売台数において首位を獲得した。新車販売台数で2019年度以来、軽四輪車新車販売台数において7年連続の首位獲得である。

 N-BOXは、軽乗用車最大級の室内空間、全タイプに標準装備とした先進の安全運転支援システム「Honda SENSING」、優れた走行性能・燃費性能が高く評価され、多くのユーザーを獲得し続けたようだ。

■□■2021年度(2021.4-2022.3)国内乗用車新車販売台数■□■

1)ホンダN-BOX       191,534台 (96.8%)*

2)トヨタ・ヤリス      191,414台 (94.5%)

3)トヨタ・ルーミー      134,321台(130.3%)

4)トヨタ・カローラ      124,224台(110.2%)

5)スズキ・スペーシア     103,605台 (71.3%)*

6)ダイハツ・タント      101,112台 (78.9%)*

7)日産ノート        95,521台(132.9%)

8)ダイハツ・ムーヴ       85,635台 (84.6%)*

9)トヨタ・ライズ       84,731台 (70.0%)

10)トヨタ・アルファード     79,726台 (74.8%)

11)ホンダ・フリード      73,661台(100,4%)

12)スズキ・ハスラー      72,639台 (85.0%)*

13)スズキ・ワゴンR      71,726台(108.7%)*

14)日産ルークス       71,275台 (72.3%)*

15)ダイハツ・ミラ      64,214台 (89.5%)*

16)ダイハツ・タフト      61,200台(100.5%)*

17)ホンダ・ヴェゼル      59,674台(212.3%)

18)スズキ・アルト      59,584台 (97.0%)*

19)トヨタ・ハリアー      58,989台 (67.9%)

20)トヨタ・ヴォクシー     57,972台 (80.8%)

      ※カッコ内は前年同期比 *は軽自動車

 過去の例をみると、月別新車販売は販社の決算に重なる年度末3月の新車販売台数が最も多い。だが、2022年3月単月の新車販売台数は16%減の51万2862台だった。生産現場の混乱で新車の納期が遅れ、登録や納車が3月に間に合わなかったことが販売減に繋がった。前年同月比のマイナス幅は2月より1.7ポイント改善したが、9月以降フタ桁のマイナスが続いているのが現状だ。

 ただ、消費者の新車購入意欲はきわめて旺盛で、生産工程が正常に立ち直りさえすれば、販売の前期実績維持&クリアは容易だとする見方が大勢だ。(編集担当:吉田恒)

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