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1ドル=125円! さらなる円安はあるのか?
●一時1ドル=125円突破!
3月28日、外国為替市場ではドル円相場が一時1米ドル=125円まで急落した。約6年7カ月ぶりの円安となり、1日で3円以上下落した。
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米国の利上げ観測が根強いことに加え、日本銀行の黒田総裁も18日に緩和姿勢を維持することを表明。さらに、28日に日銀が指値オペを発表したことで、“黒田ライン”と呼ばれる125円を一時突破することとなった。
黒田ラインを超えて、さらなる円安が進むのか?そもそも円安の大きな要因は何か?
●“黒田ライン”とは?
日銀は125円以上の円安を望まないという市場の見立てがある。
その根拠は、2015年6月に黒田総裁が衆議院予算委員会で、125円に近づいたときに「かなりの円安水準」と発言したことだった。
その時は、いったん円が買い戻されたことで、125円を意識されるようになり、1ドル=125円の壁がコンセンサスとなっている。
今回も125円という水準について、黒田総裁以外にもけん制するようなコメントがあれば、値動きが激しくなるだろう。
●さらなる円安は?
指値オペは長期金利の上昇とともに実施されるため、想定内のことであり、マーケットの過剰反応とも言える。
今週は年度末で、企業が米ドルを買わないといけない時期でもあり、円安に振れやすかったという見方もある。
ただ、2015年とは構造の変化もあり、貿易赤字・経常赤字が進み、円安の原因であるという指摘もある。対外純資産も減少しており、円安が定着する可能性は高い。
実質実効為替レートの低下もあり、有事の円高という言葉ももはや死語になりつつある。
ロシアのウクライナ侵攻の影響は、ロシアと日本との貿易関係はさほど大きくはないいため、EU諸国ほどの直接的影響はないはずである。
ウクライナ危機に伴う様々な資源価格の高騰と、それに伴う貿易赤字の拡大がさらなる円安を加速させる恐れがあり、黒田ラインを突破することも警戒しなければならない。
(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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