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【どう見るこの相場】地政学・金利上昇の二大リスクヘッジは次善手ながら消去法的に金関連株と高配当銘柄
ウクライナ情勢の緊迫化、地政学リスクは、何だか60年も前のキューバ危機の13日間を思い起させてくれる。[写真拡大]
【日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部】
ウクライナ情勢の緊迫化、地政学リスクは、何だか60年も前のキューバ危機の13日間を思い起させてくれる。キューバ危機とは、旧ソ連が、米国の目と鼻の先のキューバに極秘裏に核ミサイル基地を建設して核ミサイルを運び込みミサイル部隊まで配備していることが発覚し、危機感を強めたケネディ大統領が、空爆か海上封鎖かと検討し、核戦争寸前にまで緊迫化した地政学リスクであった。
米国の海上封鎖、臨戦態勢を前に旧ソ連のフルチショフ首相が、米国がキューバに侵攻しないことなどを条件に基地撤去とミサイル解体、部隊撤収を決定し、当時のニュース映像には解体したミサイルを持ち帰る貨物船のハッチカバーを開けて上空の米軍機に確認させるシーンが流れた。今回も、ロシアはウクライナ国境から一部撤収する部隊のビデオ映像を放映したが、米国は、むしろ国境付近の戦力が増強されていると反論している。二つの地政学リスクは、今回もロシアが実際に部隊を撤収するのかどうか、撤収の場合は前回と同様に貨物船のハッチカバーを開けるように確認させるかが焦点のなっていることで瓜二つと感じさせられたのである。
前週末18日の東京市場では、米国務省が、ロシアがウクライナに侵攻しないことを条件にブリンケン米国務長官とラブロフ露外相の会談を翌週後半に開催すると発表したことで地政学リスクへの警戒感が和らぎ、取引時間中の安値から一時400円超幅も戻す場面もあった。しかし、バイデン米大統領は、ロシアのプーチン大統領がウクライナ侵攻を決断したと確信していると発言する一方、ロシアも、隣国のベラルーシに軍事演習終了後も駐留を続けており、今週後半開催予定の米ロ外相会談で、貨物船のハッチカバーが開くかどうかは予断を許さず、世界のマーケットは引き続き地政学リスクに振り回されることを覚悟する必要がある。
この地政学リスクと米国の長期金利上昇という2つのリスクに挟み撃ちとなっているマーケットにとって、このリスクヘッジの消去法的なベストチョイス(最善手)は、キャッシュポジションを高めることといわれている。しかしキャッシュも、インフレ進行下では貨幣価値が目減りすることをいつまでも放置することはできない。とういことでセカンドチョイス(次善手)として浮上するのが、無国籍通貨といわれる安全資産の金となる。もちろん金は、金利がつかず金利が上昇するなかで取り残されるマイナス要素も否定できない。しかし同じ安全資産の債券が、金利が上昇するのと反比例して価格が下落して評価損が生じるのと比べれば相対的なものにとどまる。
ということで今週の当特集は、当たり前過ぎるが、リスクヘッジ銘柄として当欄で何回も取り上げてきた金関連株にもう一度、注目することとした。金先物価格も、前週末18日は利益確定売りで小反落したが、17日夜には1トロイオンス=1905.0ドルと昨年6月以来、8カ月ぶりの高値をつけ、2020年8月につけた最高値2089ドルも視界に捉えている。また金関連株には、金先物価格の上昇とともに業績を上方修正した銘柄も含まれている。セカンドチョイスのセカンドチョイスとして資産のセクターアロケーション(配分)の見直しで買い増勢となっている高配当銘柄とともに、貨物船のハッチカバーが開くまで活躍場面が続くと期待したい。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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