13期最高純益計画、PPIHの足元と今後を見定める

2022年2月7日 19:37

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 昨年10月1日の企業・産業欄に、『PPIHの成長の礎は、創業者:安田(隆夫)氏の真逆の発想』と題する記事を投稿した。改めるまでもないがPPIH(パン・パシフィックインターナショナル、以下PPIH)は安田氏が立ち上げ、優良企業に育え上げた旧ドン・キホーテホールディングス。安田氏の「真逆の発想」は先の記事で確認いただくとして、今回は足元・中期展望を記したい。

【こちらも】PPIHの成長の礎は創業者:安田氏の真逆の発想

 前回も記したが2021年6月期は、「1.6%増収、7.8%営業増益、7.9%最終増益、1円増配16円配」。今期も「9.4%増収、4.5%営業増益、7.0%最終増益、0.5円増配16.5円配」計画。2期の増収増益率の限りでは「着実な歩み」と捉えられるが、今期の純益予想は576億円。実に13期連続の最高利益更新、と知ると話は「着実」では済まされない。

 「安売りの殿堂ドンキ」は、少なくても私がイメージするPPIHとは立ち位置が変わってきていると認識せざるをえない。

 IRニュースや前期の決算資料を繰ってみた。

(I)2020年10月にPPIC(パン・パシフィックインターナショナルクラブ)を発足。
(II)総合スーパー事業の強化。
(III)21年1月に台湾に初出店。3月にはマレーシア、シンガポール&香港でも大型商業施設開設・・・

 IIは従来のドン・キホーテと取扱商品が異なる。食品・衣料品・住宅関連用品が主体。脈々と続くディスカウントストア事業に比べると売上高は4割弱にとどまるが、4500億円近い売上を計上している。

 IとIIIは、創業者:安田氏が取締役として先頭に立つ海外事業の進展ぶりを窺わせる。

 安倍晋三内閣時の2019年4月に首相官邸で、『第1回農林水産物・食品の輸出拡大のための輸入国規制への対応等に関する関係閣僚会議』が開催された。意図するところは日本の第1次産品の輸出拡大の検討である。安倍首相はその日、「自動車産業に次ぐ産業として確立できると確信し、日本産の水産農作物は日本の食文化の魅力を発信し第1次産業の伸長を図る」と発言している。

 注目すべきは、その席にPPIHの取締役である安田氏と松元和博しが参加していた事実である。PPIHではこう説明する。「東南アジアにおける『DON DON DONKI』業態は、生鮮4品(青果・鮮魚・精肉・惣菜)を含む食品売上が8割以上を占めている。PPIHの海外戦略の最大の武器は『日本産の品質と食文化』」。

 かつて安田氏に「新しい試みを展開する場合は、8割がた成就すれば大成功」と聞いた記憶も残ってはいるが、「国策の一翼を担う」となれば・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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