ポール・スミス 2022年秋冬メンズコレクション - クラシカルの眩暈

2022年2月1日 15:53

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記事提供元:ファッションプレス

 ポール・スミス(Paul Smith)の2022年秋冬メンズコレクションが発表された。

■アートハウス映画の鮮烈な表現を着想源に

 今季のポール・スミスが着想源としたのは、非ハリウッド系のいわゆるアートハウス映画、その眩いばかりの映像表現である。クラシカルなウェアを基調としつつも、ヴィヴィッドな色彩が華やかな表情を織りなしてゆく。

 コレクションは、映画のスタイルの変遷を反映して3つの色調を軸にまとめられている。1930年代から60年代にかけてのセピアやモノクロームの映画、カラー映画、そして1960年代から70年ごろにかけて興ったニューシネマ──これらを映しだすかのようにして、グレーやブラウンなどの落ち着いたカラーから、存在感のあるグリーンやレッド、そして鮮烈なグラフィックやパターンまで、豊かなカラーのグラデーションが繰り広げられる。

 ヴィヴィッドな色彩によるジグザグのパターンは、デイヴィッド・リンチやウォン・カーウァイといったアヴァンギャルドな映画監督にオマージュを捧げたもの。オープンカラーシャツ、クルーネックやタートルネックのニット、あるいはシューズなど、いずれもベーシックなフォルムを基調に、サイケデリックで存在感のある色彩をのせた。

 眩暈を引き起こすかのようなサイケデリックな色彩は、ブランドを象徴する花柄も染め上げる。シャツはもちろん、コーデュロイのブルゾンやカーゴパンツなどを、ブラックを基調にグリーンやオレンジといった鮮やかなフローラル柄で彩っている。

 鮮やかな色彩やパターンに対して、チェック柄はむしろトラッドなムードを添える。端正なチェスターコートやテーラードジャケット、カジュアルなステンカラーコートやダッフルコート、カーゴパンツなど、異なるテイストや素材にわたって展開されつつ、それらを縦糸のようにしてまとめている。

※本記事はファッションプレスニュースから配信されたものです。ファッションプレスでは、ブランド、デザイナー情報、歴史などファッション業界の情報をお届けしています。

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