12月のバイト時給は引き続き上昇 求人サイト運営各社で過去最高更新も

2022年1月19日 08:05

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 求人サイトを運営する各社が2021年12月度のアルバイト時給動向を発表し、年末の繁忙期を迎えて人材需要が増加しているため、各社ともに時給の上昇傾向が続いていることが分かった。

【前月は】11月のバイト時給、全国的に上昇 飲食や物流業界で人材需要が増加

■アイデムは東西日本ともに前年同月比プラス

 12日、アイデムが12月の「パート・アルバイトの募集時平均時給」を発表した。東日本エリアの平均時給は前年同月比30円増の1,215円。このうち関東4都県(東京、神奈川、埼玉、千葉)の平均時給は同34円増の1,242円だった。大分類の職種では7業種中、その他(東日本の平均時給:1,093円:前年同月比:27円減、以下同じ)のみマイナス。プラスだった職種では、事務職(1,080円、51円増)、製造関連・ドライバー職(1,111円、51円増)などで大きく時給が伸びた。

 西日本エリアの平均時給は同154円増の1,263円。このうち関西3府県(大阪、兵庫、京都)の平均時給は同145円増の1,270円だった。大分類では7職種全てプラスに。特に専門・技術職(1,697円、312円増)で大きく時給が伸びた。

■ディップは過去最高時給更新 初の1,200円台に

 17日、ディップが12月の「アルバイト平均時給調査」を発表した。全国の平均時給は前年同月比87円増の1,210円となり、12カ月連続でプラスとなるとともに、これまで最高時給だった21年10月の1,195円を超えて初めて1200円台となった。

 職種別で時給が上がったのはIT・クリエイティブ/クリエイターその他が1,324円(前年同月比:144円増、以下同じ)、SE・PG・エンジニア・運用が1,354円(134円増)、看護・介護が1,274円(110円増)。キャンペーン関連が1,438円(102円増)、旅行が1,471円(177円増)、仕分け・検品・梱包が1,287円(213円増)、運送・ドライバー・配達が1,202円(118円増)、軽作業・物流その他が1,176円(108円増)。建設系が1,721円(412円増)、建設・土木その他が1,471円(310円増)、製造系が1,396円(329円増)、技能系が1,441円(249円増)、工場・製造その他が1,296円(228円増)。教師・講師・インストラクターが1,815円(227円増)、試験監督・添削が1,662円(152円増)など。

 反対に下がったのはテレアポ・テレオペが1,140円(177円減)、オフォスその他が1,045円(148円減)、事務・データ入力が1,198円(217円減)。調査業務が1,325円(180円減)、イベントその他が1,240円(253円減)、イベント関連が1,625円(101円減)、モデル・エキストラ・芸能関連が1,532円(953円減)など。

 地域別では関東が前年同月比91円増の1,248円、東海が同102円増の1,163円、関西が同10円減の1,222円、九州が同175円増の1,168円で、関西のみわずかにマイナスだった。

■リクルートは4カ月連続で過去最高時給を更新

 同日、ジョブズリサーチセンターが12月の「アルバイト・パート募集時平均時給調査」を発表した。3大都市圏(首都圏、東海、関西)の平均時給は前年同月比15円増の1,115円となり、9月から4カ月連続で過去最高時給を更新した。

 職種別で時給が上がったのはキャンペーンスタッフが1,358円(前年同月比:150円増、以下同じ)、組立工が1,186円(79円増)、テレフォンアポインターが1,488円(161円増)、医療関係技術者が1,367円(95円増)、エステ・ネイル・マッサージが1,156円(77円増)など。

 反対に時給が下がったのは宿泊施設関連(旅館・民宿)が1,081円(29円減)、ドライバー(中型・大型・バス・タクシー)が1,131円(51円減)、塾講師が1,576円(30円減)など。

 地域別では首都圏が前年同月比16円増の1,166円、東海が同17円増の1,027円、関西が同7円増の1,092円となり、3地域ともにプラスだった。

 年末の繁忙期における人材需要が幅広い職種で発生。中でも新型コロナウイルス対策で3回目となるワクチン接種や給付金・助成金に対応するため、コールセンタースタッフが過去最高時給を更新したという。

■マイナビも過去最高時給を更新

 18日、マイナビが12月の「アルバイト・パートの平均時給レポート」を発表した。全国平均時給は前年同月比16円増の1,145円となり、8カ月連続でプラスとなっただけでなく、21年8月の1,143円を超えて最高時給を更新した。

 職種別で時給が上がったのは家電量販店が1,247円(前年同月比:224円増、以下同じ)、SE・プログラマが1,716円(335円増)、その他クリエイティブ・編集が1,349円(210円増)、その他医療・介護・保育が1,189円(169円増)、保育士が1,472円(251円増)、薬剤師・登録販売者が1,397円(230円増)。ワゴン販売・売り子が1,400円(271円増)、その他オフィスワークが1,451円(146円増)など。

 反対に時給が下がったのは、試験監督・採点・アドバイザーが1,201円(216円増)、営業が1,378円(170円減)、DTP・CADオペレーターが1,136円(107円減)、イベント企画・運営が1,421円(105円減)など。

 地域別では北海道・東北が前年同月比26円増の994円、関東が同7円増の1,232円、甲信越・北陸が同61円増の1,062円、東海が同4円増の1,087円、関西が同23円増の1,129円、中国・四国が同1円減の984円、九州・沖縄が同29円増の998円となり、中国・四国のみマイナスだった。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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