トルコリラがクリスマスに急上昇、その原因と今後の行方は?

2022年1月12日 11:06

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●クリスマスに急上昇も、年末年始には再び下落!

 2021年11月以降、下落が止まらなかったトルコリラが、2021年12月20日から25日にかけて急上昇した。

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 12月20日に、トルコ・エルドアン大統領が低金利政策の継続を確約し、通貨安で苦しむ国民の負担を軽減する措置を発表したことが、好感された。一時、ドル=トルコリラは25%上昇した。

 発表の具体的内容は、トルコリラ建ての預金を保護する政策を導入するもので、その損失補填は政府がするとしている。

 その後、12月27日からは再び急落し、年明けにかけてトルコリラ円も再び1トルコリラ=10円を割り込んだ。2021年は1年間で半額にまで落ち込んだトルコリラだが、2022年はどうなるのか?

●国民を苦しめる深刻なインフレ

 1月3日に発表されたトルコの12月CPIは、前年同月比で30%を超えており、インフレが深刻となっている。

 原油高に加え、リラ安となれば、物価の急上昇は避けられない。ロイター通信によると、トルコの国内銀行は預金保護政策の発表を受けて、預金を集めるために金利を引き上げている。

 中央銀行は利下げしても、預金金利は上がり続けており、企業への融資が滞っている。

●終わりのないトルコ危機

 12月初め、エルドアン大統領は利下げにより支持率回復を目論んでいた。物価上昇時の利下げは大きな賭けだが、完全に裏目に出ている。

 トルコは2023年に総選挙が行われる予定だが、前倒しになる可能性もある。エルドアン大統領と与党幹部はそれを否定しているが、2021年末の経済措置は早期選挙を意識しているとの憶測もある。

 野党には有力な候補がいないということもあり、エルドアン政権が継続するのではという公算も高いが、支持率は低下しており、政権交代が実現するという見方もある。

もし政権交代というようなことになれば、トルコリラが急上昇する可能性も否定できない。

トルコリラへの投資は、売り一辺倒だった2021年のようにはいかず、政治的リスクも考慮しなくてはならないだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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