アキラナカ2022年春夏コレクション - 陶芸家・河井寛次郎の独創的な作品に思いを馳せて

2021年11月10日 16:53

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記事提供元:ファッションプレス

 アキラナカ(AKIRANAKA)の2022年春夏コレクションが発表された。

■陶芸家・河井寛次郎の自由な精神を引用

 2007年にPOESIEとしてブランドをスタートさせたアキラナカ。<ブランド中期>とも位置付けられる昨今のコレクションを振り返る中で、デザイナーの中章は“型にはまらず、前進し続けたい”と改めて考え、大正から昭和に活躍した京都出身の陶芸家・河井寛次郎に思いを馳せた。

 河井は、陶磁器試験場で実験を行っていた経緯から“釉薬”の知識が深く、ユニークな色彩表現で有名な陶芸家。しかしその高い技術力に甘んじることなく、様々な試みの中に“新しい美”を見出し、独創的な作品を発表し続けた。今季はそんな河井の“自由な姿勢”を引用しながら、型にはまらない遊び心溢れるコレクションを提案する。

■思うままに小筆で描いたジャケット

 まず目を引くのは、釉薬や焼き方によって仕上がりが大きく変わる陶芸の“偶発的な美”から着想を得て作ったテーラードジャケット。最初にデザインを決めず、思うままに小筆で色をのせたというジャケットは、“誰も見出せていない<美意識>がまだあるのではないだろうか”という中自身のチャレンジングな想いが感じられる1着だ。

■日本の植物を落とし込んだワンピース

 陶磁器を思わせるボタニカル柄は、ワンピースやトップスに落とし込んだ。毛筆で描いた日本の植物をあえて“パターン化”させて全体にプリントすることで、和に寄りすぎないモダンなムードを纏わせた。

■“おみくじ”や“餅花”のようなデザイン

 シンプルなワンカラーのトップスやドレスに施された、プレイフルなディテールにも注目したい。ニットトップスの背面にあしらった紐は、河井寛次郎の自宅兼工房の庭にあったという“餅花”のような見た目に。ノースリーブドレスの背面には、丁寧に畳んで結ばれた“おみくじ”のようなデザインを取り入れた。

■和紙を混ぜたコットンやカラフルなガラスビーズ

 ファブリックは、和紙を混ぜたコットンやハンドカットのジャカード、粘土のような風合いの生地など、どこかクラフト感のあるものが主流。ブラックのニットベストは、カラフルなガラスビーズを1つずつ丁寧に飾り付けることで温かみのある表情に仕上げている。

※本記事はファッションプレスニュースから配信されたものです。ファッションプレスでは、ブランド、デザイナー情報、歴史などファッション業界の情報をお届けしています。

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