次世代物流センター開設:トランコムが睨む「今後」

2021年11月9日 15:57

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蓮田ロジスティクスセンター(画像: トランコムの発表資料より)

蓮田ロジスティクスセンター(画像: トランコムの発表資料より)[写真拡大]

 トランコム(東証1部)。「物流センターの一括受託」と「空車情報と荷物情報のマッチング業務」を2本柱とする、斯界の最大手企業。

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 至る2026年3月期の中計を進めているが、「今後とも成長し続ける。斯界を牽引する」と姿勢を明確にするニュースが飛び出したのは7月1日のこと。『トランコム次世代大型物流センター開設~「はこぶ」創造に向けて~』と題するリリースを配信した。

 三菱地所が埼玉県蓮田市に開発した物流施設「ロジクロス蓮田」の全フロアを賃借。「蓮田ロジスティクスセンター」を開設。地上3階建て。延べ床面積約2万3787坪。トランコム最大規模の物流拠点。トラックバース91台・トラック待機場30台を確保。入出荷品の運搬・保管業務には、自動運転ロボットなどを導入するという。

 コロナ禍で足止め状況だった経済活動が再開し、拡充するためには物流センターは不可欠なインフラ。「蓮田ロジスティクスセンター」開設の一事は、トランコムの先々に対する展望を基にした大きな一手と捉えることが出来る。

 新型コロナ拡大は、トランコムにも大きな影響をもたらした。前21年3月期の「6.8%増収、9.0%営業増益」、そして今期計画「7.3%の増収(1634億7000万円)、0.1%の営業増益(82億5000万円)」計画にも容易に見て取れる。

 ただ前期は「11円増配115円配」、今期も「9円増配124配(21期連続増配計画)」。底力を痛感する。「内部留保417億8100万円に対し有利子負債ゼロ」という好財務体質が、背景にはある。改めてコロナ拡大期の前期事業を検証すると、こんな状況。

★ロジスティクスマネジメント事業: 入荷・保管・ピッキング・流通用加工・出荷。一部拠点の業務縮小・撤退も既存拠点の生産性向上や、(EC拡充による)個人宅配の数量増で「0.5%増収、26.3%営業増益」。物流情報サービス(総顧客数約1万3000社間のマッチング事業)やインダストリアルサポート(生産請負・人材派遣)の減収減益をカバーし6.8%減収も9.0%営業増益を実現した。

 今期についても「経済活動に持ち直しの動きがあるが、引き続き不透明」として前記計画で立ち上がった。そして第1四半期は前年同期比10.2%増収・37.2%営業増益と、中間期予想に対し「50%強、59%強」。ほぼ積算通りの実績で通過した。

 中計では「売上高2200億円(前期比44.5%増)、売上高営業利益率5~6%(前期5.4%)」を掲げている。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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