園子温最新作、映画『エッシャー通りの赤いポスト』予告編解禁 12月25日公開

2021年11月6日 14:52

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@2021「エッシャー通りの赤いポスト」製作委員会

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 2021年12月25日(土)より全国で順次公開がスタートする映画『エッシャー通りの赤いポスト』。園子温監督の最新作として注目が集まる本作の本予告映像が公開された。

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■園子温と51名の役者の卵たちによる自主映画

 映画『エッシャー通りの赤いポスト』は、熱狂的ファンを多く持つ園子温監督による最新作。園子温と言えば、『冷たい熱帯魚』(11年)や『ヒミズ』(12年)をはじめとする、強烈な作品で日本映画界に衝撃を与えてきた異端児だ。10月にはニコラス・ケイジを主演に迎えた映画『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』が公開され、ハリウッドデビューを果たしている。

 そんな園が、今度は久しぶりにインディーズ映画を手がけた。しかもメインキャストはほとんどがまだ無名の役者である。というのも、映画『エッシャー通りの赤いポスト』は19年に開催された「園子温による役者のための実践的ワークショップ」において、51名の参加者をキャストとして製作された作品なのだ。園はこのワークショップのために本作の脚本を準備し、編集・音楽も担当した。

 ストーリーは、「映画に出演するために応募用紙をポストに投函した人々がオーディション会場に集う」という、まさにワークショップに参加している彼らと同じようなシチュエーション。遊び心と映画愛に溢れた本作は、すでに世界13の国際映画祭で上映され、第49回モントリオール・シネヌーヴォー映画祭では観客賞を受賞している。

■本予告映像が解禁

 解禁された本予告は、映画のキャストオーディションに参加するべく、赤いポストに応募用紙を投函する人々が映し出されるところから始まる。個性豊かなキャラクターたちはオーディション会場に集まり、監督ら製作陣の前で演じ、アピールしていく。それぞれの事情を抱えこの映画出演に人生をかける参加者たちの表現は、刺激的でエネルギーに溢れている。

 一方、全員新人で映画を撮ろうとしている映画監督・小林の企画が、エグゼクティブプロデューサーの「無理ですよ、全員素人って…」という言葉に押しつぶされそうになっている様子も伺える。

 さらに「エキストラでいいんか?人生のエキストラで」「仮面を外して、衝動のまま突き進め」などといった感情を揺さぶる言葉も登場。くすぶった心を奮い立たせてくれるような、メッセージ性の強いエンタメ作品になっていることを感じさせる予告映像だ。

■映画『エッシャー通りの赤いポスト』あらすじ

 カリスマ映画監督・小林正(山岡竜弘)は、新作映画『仮面』の出演者を経験ゼロの素人も参加可能なオーディションで選ぶことにした。オーディション会場には、浴衣姿の劇団員や小林監督の親衛隊である“小林監督心中クラブ”、俳優志望の夫を亡くした若き未亡人・切子(黒河内りく)、そして、訳ありの女・安子(藤丸 千)などが集まる。

 一方、脚本作りに難航する小林の前に元恋人の方子(モーガン茉愛羅)が現れ、脚本の続きを書いてくれると言う。有望な新人俳優たちを見つけて希望を見出していた小林だったが、エグゼクティブプロデューサー(渡辺哲)からの無理な要望され、自暴自棄に陥る……。

(記事:ヤスダ ユウカ・記事一覧を見る

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