24日の香港市場概況:ハンセン2.5%高で続伸、ネット株買いで科技指数7.1%上昇

2021年8月24日 18:00

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記事提供元:フィスコ


*18:00JST 24日の香港市場概況:ハンセン2.5%高で続伸、ネット株買いで科技指数7.1%上昇
24日の香港市場は、主要58銘柄で構成されるハンセン指数が前日比618.33ポイント(2.46%)高の25727.92ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が283.12ポイント(3.21%)高の9098.68ポイントとそろって続伸した。売買代金は1717億8320万香港ドルとなっている(23日は1697億7700万香港ドル)。


内外環境の改善が好感される流れ。昨夜の米株市場では、長期金利の低下を手がかりに、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が約2週間ぶりに最高値を更新した。ファイザーとビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスのワクチンについて、米食品医薬品局(FDA)が23日に正式承認したことを受け(これまでは緊急使用)、接種が進むとの見方が広がっている。内部的には経済対策に対する期待が強まる状況。中国人民銀行(中央銀行)の易綱・総裁は23日夜、「与信を安定させ、実体経済と中小企業を支える」と表明した。企業業績の好調も追い風。香港・中国で本格化する主要企業の決算報告では、予想を上回る内容が多くみられている。香港の各指数は徐々に上げ幅を広げ、後場に入り一段高となった。(亜州リサーチ編集部)


ネット株に買いが先行し、ハンセン科技指数は7.1%高と大幅続伸。構成する関連銘柄では、ショート動画投稿アプリの快手科技(クアイショウ・テクノロジー:1024/HK)が15.1%高、電子商取引(Eコマース)中国大手の京東集団(JDドットコム:9618/HK)が14.9%高、飲食ポータルサイトの美団(メイトゥアン:3690/HK)が13.5%高、電子商取引(Eコマース)中国最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が9.5%高、インターネットサービス中国大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が8.8%高と上げが目立った。京東集団が23日引け後に公表した決算では、4〜6月期に95%減益を強いられたものの、1株利益は市場予想を上回っている。


医療サービス・医薬品の銘柄群も高い。京東健康(JDヘルス・インターナショナル:6618/HK)が14.5%、医渡科技(2158/HK)が8.7%、阿里健康信息技術(アリババ・ヘルス・インフォメーション・テクノロジー:241/HK)が6.4%、百済神州(ベイジーン:6160/HK)が8.7%、薬明生物技術(ウーシー・バイオロジクス:2269/HK)が7.7%ずつ上昇した。バイオ医薬品開発受託会社の薬明が発表した中間決算は150%増益となり、7月発表の自社予想(135%増益)を上回っている。京東健康は本日、中間決算を報告する予定だ。


管理サービスやデベロッパーの不動産関連セクターもしっかり。保利物業発展(6049/HK)が10.2%高、世茂服務HD(873/HK)が10.0%高、融創服務HD(1516/HK)が6.0%高、中国恒大集団(3333/HK)が3.9%高、万科企業(2202/HK)が3.3%高で引けた。


エアラインや旅行代理店、カジノなどレジャー関連銘柄も物色される。中国南方航空(1055/HK)が3.6%高、中国東方航空(670/HK)が3.2%高、同程芸龍HD(トンチェン・イーロン・ホールディングス:780/HK)が6.6%高、金沙中国(サンズ・チャイナ:1928/HK)が9.8%高、銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が8.9%高と値を上げた。マカオのカジノ株については、中国からの入境規制緩和が材料されている。

一方、本土市場も続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比1.07%高の3514.47ポイントで取引を終了した。消費関連株が高い。非鉄株や鉄鋼株、医薬品株、半導体株、銀行・証券株、インフラ関連株の一角なども買わた。

亜州リサーチ(株)《FA》

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