アールシーコアは調整一巡、22年3月期1Q赤字縮小、通期黒字化予想で収益改善基調

2021年8月19日 08:26

印刷

記事提供元:日本インタビュ新聞社

 アールシーコア<7837>(JQ)は、自然材をふんだんに使ったログハウスのオリジナルブランド「BESS」を展開している。22年3月期は受注が回復し、早期着工を推進して増収・黒字化予想としている。第1四半期は受注強化や着工平準化促進などの効果で大幅増収となり、赤字縮小した。そして通期黒字化予想を据え置いた。受注が好調であり、通期ベースでも収益改善基調を期待したい。株価はやや上値が重くモミ合いだが、調整一巡感を強めている。収益改善を評価して戻りを試す展開を期待したい。

■ログハウスのオリジナルブランド「BESS」を展開

 自然材をふんだんに使った個性的な木の家であるログハウスのオリジナルブランド「BESS」の販売を、国内直販部門、連結子会社BESSパートナーズ(BP)社、および国内販社で展開している。

 21年3月期セグメント別(調整前)売上構成比は直販部門が31%、販社部門が33%、BP社が35%、営業利益構成比は直販部門が56%、販社部門が42%、BP社が2%だった。FCを中心とした事業展開で高資本効率を実現している。

 東京都・代官山のBESS スクエア、神奈川・藤沢市のBESS 藤沢、東京都・昭島市のLOGWAY BESS多摩の3カ所を直営拠点としている。なお21年4月に東京・代官山のLOGWAY旗艦店を「BESS MAGMA LOGWAY、NIPPON」としてリニューアルオープンした。

 収益は直販部門とBP社の「BESS」売上、販社からのロイヤリティ収入および販社へのキット部材売上などである。四半期収益は物件引き渡し件数・時期などで変動しやすい特性がある。

■収益構造改革を推進

 新中期経営計画ではスローガンに「曲がり真直ぐ、BESSの道」を掲げている。また重点施策としては、LOGWAY戦略のベストサイクル追求、新時代の暮らし方「梺(ふもと)ぐらし」の本格化、ブランドパートナー型FC制度の確立、長寿企業を目指す収益構造改革を推進している。目標値については新型コロナウイルスによる事業環境の変化を考慮し、23年3月期の売上高を従来の240億円から200億円に、営業利益率を8%から5%に変更した。

 21年3月には、運転資金および設備投資(東京・代官山のBESS本店リニューアル)への充当を目的として、シンジケーション方式によるコミットメントライン契約およびタームローン契約を締結した。

■22年3月期1Q大幅増収で赤字縮小、通期黒字化予想据え置き

 22年3月期連結業績予想は売上高が21年3月期比4.5%増の165億円、営業利益が3億円の黒字(21年3月期は2億52百万円の赤字)、経常利益が2億65百万円の黒字(同3億57百万円の赤字)、親会社株主帰属当期純利益が2億円の黒字(同5億34百万円の赤字)としている。配当予想は15円増配の35円(第2四半期末15円、期末20円)としている。

 大規模改修を機に改称した東京・代官山の旗艦店「BESS MAGAMA(従来のBESSスクエアを21年4月にリニューアルオープンして名称変更)」の営業再開を中心に、LOGWAY(展示場)における体感型単独展示場の強みを活かして受注強化を推進する。受注棟数の計画は47%増の1070棟、契約高の計画は27%増の173億円としている。さらに契約精度向上などによる早期着工推進、売上総利益率の改善なども寄与して黒字化予想としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比22.8%増の38億48百万円、営業利益が89百万円の赤字(前年同期は4億21百万円の赤字)、経常利益が99百万円の赤字(同4億26百万円の赤字)、親会社株主帰属四半期純利益が17百万円の赤字(同3億25百万円の赤字)だった。

 受注強化や着工平準化促進などの効果で大幅増収となり、赤字縮小した。直販部門は20.3%増収で34.9%増益、販社部門は18.6%増収で黒字転換、BESSパートナーズは36.9%増収で黒字転換した。なお全社ベースの受注(契約)高は20.2%増の30億39百万円、受注残高は120億19百万円となった。

 ウッドショックによる木材調達コストの上昇がリスク要因となるが、受注が好調であり、通期ベースでも収益改善基調を期待したい。

■株主優待は3月末と9月末の株主対象

 利益配分については、DOE(純資産配当率)を重視した長期的視点での安定配当を行うことを基本とし、当面はDOEを7%程度まで高めることを目標としている。

 株主優待制度は毎年3月末および9月末時点の株主を対象として実施(詳細は会社HP参照)している。

■株価は調整一巡

 株価はやや上値が重くモミ合いだが、調整一巡感を強めている。収益改善を評価して戻りを試す展開を期待したい。8月18日の終値は812円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS47円80銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想の35円で算出)は約4.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS682円85銭で算出)は約1.2倍、時価総額は約37億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

【関連記事・情報】
【特集】「トリプル・ブルー」となった割安株、個人投資家の参戦余地は?(2021/02/01)
【編集長の視点】京阪神ビルは高値期日一巡を先取り業績上方修正・増配を買い直して反発(2021/03/16)
【小倉正男の経済コラム】米国はコロナ禍で起業ラッシュ、日本は?(2021/02/08)
朝日ラバーは調整一巡、22年3月期収益回復期待(2021/03/30)

※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

関連記事