マーケットエンタープライズは22年6月期赤字予想、成長戦略再構築

2021年8月16日 08:05

印刷

記事提供元:日本インタビュ新聞社

(決算速報)  マーケットエンタープライズ<3135>(東1)は8月13日の取引時間終了後に21年6月期連結業績を発表した。事業環境悪化や先行投資で減益だった。22年6月期は成長戦略再構築のステージと位置付けて赤字予想とした。中期的に収益回復を期待したい。株価は年初来安値圏で軟調だ。目先的には22年6月期赤字予想を嫌気する動きが優勢になりそうだが、すでに業績悪化を織り込んだ水準と考えられ、下値は限定的だろう。

■22年6月期は成長戦略再構築で赤字予想

 21年6月期連結業績は、売上高が20年6月期比0.3%減の108億75百万円、営業利益が91.7%減の54百万円、経常利益が95.1%減の32百万円、親会社株主帰属当期純利益が40百万円の赤字(20年6月期は2億91百万円の黒字)だった。

 ネット型リユース事業は、取扱総量低下などで売上高が1.8%減の65億80百万円、農機具分野や「おいくら」の収益拡大に向けた先行投資で営業利益が2.4%減の5億34百万円だった。

 メディア事業は収益性の高いキーワードにおける検索順位が低位にとどまり、送客収入が減少して売上高が25.5%減の5億19百万円、収益体制強化に向けた人員拡充も影響して営業利益が51.9%減の2億31百万円だった。

 モバイル通信事業は、保有回線数の増加で通信料収入が増加したが、自社通信メディアからの送客数減少などで新規回線契約獲得が減少したため販売奨励金収入が減少し、売上高が0.2%減の38億66百万円、営業利益が64.7%減の1億37百万円だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高28億70百万円で営業利益1億63百万円、第2四半期は売上高27億58百万円で営業利益42百万円、第3四半期は売上高24億91百万円で営業利益1億07百万円の赤字、第4四半期は売上高27億56百万円で営業利益44百万円の赤字だった。

 22年6月期の連結業績予想は、売上高が21年6月期比10.3%増の120億円で、営業利益が4億円の赤字(21年6月期は54百万円の黒字)、経常利益が4億05百万円の赤字(同32百万円の黒字)、親会社株主帰属当期純利益が4億40百万円の赤字(同40百万円の赤字)としている。

 中期経営計画(8月13日公表)の最終年度24年6月期目標値の売上高200億円、営業利益12億円の達成に向けて、22年6月期は成長戦略再構築のステージと位置付けて赤字予想とした。中期的に収益回復を期待したい。

■株価は下値限定的

 株価は年初来安値圏で軟調だ。目先的には22年6月期赤字予想を嫌気する動きが優勢になりそうだが、すでに業績悪化を織り込んだ水準と考えられ、下値は限定的だろう。8月13日の終値は885円、時価総額は約47億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

【関連記事・情報】
【特集】「トリプル・ブルー」となった割安株、個人投資家の参戦余地は?(2021/02/01)
【編集長の視点】京阪神ビルは高値期日一巡を先取り業績上方修正・増配を買い直して反発(2021/03/16)
【小倉正男の経済コラム】米国はコロナ禍で起業ラッシュ、日本は?(2021/02/08)
朝日ラバーは調整一巡、22年3月期収益回復期待(2021/03/30)

※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

関連記事