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ミューラル 2021年秋冬コレクション - “目覚め”の詩学
ミューラル(MURRAL)の2021年秋冬コレクションが発表された。
■みずみずしい感覚の発露
光の軌跡のようにすうっとまっすぐ進むロジックは、それ自体心地よく響くかもしれない。その反面、ふとした思いつきやみずみずしい感覚は、確固たる論理のもとでは“異質なもの”として排除されうる。“AWAKE”=「目覚め」をテーマとした今季のミューラルは、そうしたロジックから離れて、感覚や感情を“生”のままに発露する、ドラマティックなみずみずしさに溢れている。
■“目覚め”の感覚
「目覚め」のみずみずしさ、力強さを象徴するのが、鮮やかなブルーを貴重とした抽象画をプリントしたドレスであろう。グラフィックは、デザイナー自身が「目覚め」という言葉をイメージし、手ずから絵筆を執って描いた油彩画だ。ファブリックにも、光沢を穏やかに鈍め、シルクのように柔らかな落ち感を出す加工を施すというように工程を丁寧に重ね、艶やかな色彩感とエレガントなドレープ感を生みだしだ。また、油彩画の筆致をうつしとったイヤーカフなども展開する。
■重なり、また、揺らめき
オーバーなサイズ感ながらも上品なロングコートは、ふわりと外側に膨らむ“エッグスリーブ”を採用し、卵のようなシルエットに。両サイドにはスリットを大胆に施すことで、動きに合わせて揺らめく躍動感を与えた。また、同じ素材でテーラードジャケットとスラックスも用意し、ベストとは異なる重ね方で“スリーピース”を提案。深みのあるグリーンやパープルといった、はっとするような色彩も特徴だ。
■草木から花へ、刺繍に表す躍動感
ミューラルを象徴する「フレームドフラワー」オリジナルレースのドレスやブラウス、スカートなどには、フリージアの刺繍を表現。生と死を司る『もののけ姫』のシシ神に着想を得て、地面から草木、そして花へと、湧きたつような躍動感で刺繍をあしらうとともに、グラフィカルな模様を組み合わせた。今季は、シンプルなAラインのドレスに加えて、ダイナミックにプリーツをとることで、より躍動感あふれるドレスも用意する。
■表情豊かなニットで「フレームドフラワー」を表現
また、「フレームドフラワー」は、レースばかりでなくニットでも表現。草木や花弁のそれぞれの部分ごとに異なる糸や織りを組み合わせることで、ニュアンスに富んだ表情を織りなしている。ドレスやカーディガンなど、いずれも刺繍の繊細さとニットならではのカジュアルさをあわせ持ったアイテムに仕上げた。
■クラシカルなジャカードにシャープさを
ブランド初となるオリジナルのジャカードは、淡路島の庭園「百段苑」がモチーフ。花壇それぞれに多彩な草花を植えたその様子をシンボリックに図案化し、それらを互いに連ね、重ねることで、リズミカルなパターンを作りだした。カラーは落ち着いたブラウンを基調とし、ジャケットやシャツ、ボレロ、スカートなどへと展開。随所にビーガンレザーを配することで、ジャカードのクラシカルなムードに素材感でシャープなコントラストを加えている。
■初のコレクションムービーも
2021年秋冬では、ミューラル初となるコレクションムービーも公開。キービジュアルには、世界的バレエダンサーとして注目される飯島望未を起用し、アーティスト/映像作家の中村壮志の演出のもと、“WAKE”から連想される夢や記憶をキーワードに映像を製作した。
ミューラル 2021年秋冬コレクション “AWAKE” ムービー
ディレクター:中村壮志
モデル:飯島望未
ヘア&メイク:山本ゆかり
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