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ナウカのスラスタートラブル、ISS本体が540度回転していたことが判明
トラブル続きではあったものの、なんとか7月29日に国際宇宙ステーション (ISS) へのドッキングを果たしたとされるロシアの多目的実験モジュール「ナウカ(Nauka)」だが、実はドッキング直後にISSからクルーの緊急脱出が検討されるほどの状況に陥っていたそうだ(NASA、NASATwitter、TheHill 、Space.com、TECH+、読売新聞、SankeiBiz)。
発生した事例を並べると過去記事にもあるように、ナウカ側のソフトウェアの不良により予定外のエンジン噴射が発生。このためISS本体が損傷する事態も想定されたことから、クルーが緊急脱出も想定する「宇宙船緊急事態(spacecraft emergency)」が宣言されたそうだ。ISS側ではコントロール・モーメント・ジャイロやISSのロシア区画であるズヴェズダの推進システムで姿勢制御を試みたがうまくいかず、最終的にはISS本体が540度(約1回転半)する事態(当初報道は45度)になったとしている。このトラブルにより地上との通信も計11分間途絶えたとしている。
ここからは不明瞭な部分が多いが、どうもナウカのスラスターはロシア本国から強制停止コマンドを送っても止まらず、燃料が切れまで噴出してISSが一回転半したようだ。その後の軌道修正はロシアの無人補給船「プログレス78」のスラスターも利用して行われたとみられる。
あるAnonymous Coward 曰く、 なお、スラスター不具合の原因は「一時的なソフトウェアの不具合」と説明されている。ナウカの打ち上げからドッキングまでは他にも多くの不具合が報じられており(ただしロシア側は公式には認めていない)、現状は落ち着いてはいるようだが、将来的にNASA-ロスコスモス間の問題になるかもしれない。
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※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。
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