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国際宇宙ステーションへの移動が約2時間で可能に ロスコスモス
国際宇宙ステーションの画像 出典:NASA[写真拡大]
ロシア通信社イタル・タス通信は8月2日、わずか2時間で国際宇宙ステーション(ISS)への到達が可能であるという非常に画期的なニュースを報じた。ロシアの国営宇宙機関ロスコスモスが公開している情報によれば、従来は地球からISSへの移動に要する時間は2日間であったが、2020年には地球からの移動とドッキングに要する時間を合わせて3時間3分という時間短縮を実現している。
【こちらも】国際宇宙ステーションに未発見の穴が開いている可能性、ロシア側責任者が指摘
このISSへの移動所要時間(2ないし3時間)は、われわれの日常生活に例えるならば、東海道新幹線での東京・新大阪間の移動時間にほぼ一致する。東京・新大阪間の距離は552.6kmであり、ISSが地球の約400km上空を飛行していることを考えると、ISSまでの移動所要時間が2ないし3時間というのはさほど速くないと感じるかもしれないが、それは素人の考えに過ぎない。
ISSは時速27,700kmという猛烈な速度で移動しており、地球を出発して400kmの上空にある宇宙空間に到達して無事ドッキングを成就させるためには、新幹線での移動にはない様々な複雑な移動プロセスを考慮しなければならないからだ。ISSの軌道を考慮して、地球からの発射日時や、発射角度も正確に設定する必要があり、ISSに安全にドッキングするためには、どこでどのくらいの速度に減速すべきなのか非常にち密な計算が求められる。
イタル・タス通信によれば、理論上は1時間20分まで移動時間の短縮は可能と考えられるが、安全面を考えると最短所要時間の推定値は2時間7分になるという。現時点でこの数値は実績値ではないが、この値を実現するための試みは2022年にトライされる可能性があるとも報じている。
ISSへの移動時間を最短にするためには、ISSにドッキングする際になるべく大きな減速を伴わない軌道が取れるよう、発射のタイミングや角度を最適に設定することがミソのようだ。
宇宙へ飛び立つことはテクノロジーが発達した現代においても、人類にとっては新幹線での移動並みに簡単にできることではない。だが宇宙飛行士が早朝、自宅を出る前に家族に「それじゃあISSに出張に行ってくるね」と言葉をかけ、その日の午後には、ISSから無線で家族に「今ISSについたよ!」とアナウンスできるような時代が、もうすぐそこまでやって来ているのだ。(記事:cedar3・記事一覧を見る)
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