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エルサルバドルがビットコインを法定通貨に採用 その影響は?
●エルサルバドルがビットコインを法定通貨に採用
中米のエルサルバドルの議会は9日、ブケレ大統領が提案した仮想通貨ビットコインを法定通貨として採用する法案を可決した。
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1ビットコイン=350万円近くまで下落していたビットコインは、日本時間10日に一時400万円台に回復した。
先進国の間では困惑と懐疑的な声もあるが、エルサルバドルのように米ドルを法定通貨にしている国にとっては、その動向を注視することになるだろう。
●エルサルバドルの事情
エルサルバドルは1992年に内戦が終結し、その後2度の大地震やハリケーンに見舞われてきたが、経済成長はプラスを維持してきた。
2001年に米ドルを法定通貨としてから、金利も低下し、物価上昇率も抑えてきた。約250万人の出稼ぎ労働者である在米エルサルバドル人からの家族送金が、GDPの約20%を占めている歪な経済構造となっている。
ビットコインを新たに採用しても、米ドルも従来通り流通する。
エルサルバドルは国民の7割が銀行口座などの金融アクセスが無いという問題もあり、ビットコインの採用がプラスに作用するとブケレ大統領は主張している。
●続く国があるのか?
今現在も米ドルの信認は世界一で、ビットコインを米ドルと並ぶ法定通貨にするのは愚策とも捉えられかねない。
今回の決定は、エルサルバドルが目指している国際通貨基金(IMF)から10億ドル以上の融資獲得に、悪影響を及ぼすという見方もあり、ビットコインの暴落以外のリスクもある。
しかし、コロナ禍による異次元の金融緩和で米ドルは大量に刷られ、そのことは他国の事情によって、経済が左右されるということを意味する。ユーロの問題と同じで金融政策と財政政策を一元的にできない。
ブケレ大統領は国営の地熱発電会社に、再生可能エネルギーを利用してマイニング施設を計画するように要請したとツイッターに投稿した。
ビットコインであれば客観的に供給が変更されるため、米ドルのように他国の事情に左右されることはないだろう。エルサルバドルの決定でビットコイン採用国が続くかどうかの1つの試金石になるだろう。
(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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