博報堂DY、オンラインで集まり故人を偲ぶ追悼サービスを開始

2021年6月9日 07:12

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しのぶばサービスのイメージ(画像:博報堂DYホールディングスの発表資料より)

しのぶばサービスのイメージ(画像:博報堂DYホールディングスの発表資料より)[写真拡大]

  • 実施期間のイメージ(画像:博報堂DYホールディングスの発表資料より)

 博報堂DYホールディングスは7日、オンライン追悼サービス「しのぶば」を開始したと発表。サービス提供は、グループ傘下のAD plus VENTURE(アドプラスベンチャー)が担う。高齢化や新型コロナウイルスの影響などで、葬儀へ参列できないケースが増えているため、オンライン上で故人を偲ぶ場を提供する。

【こちらも】コロナ禍で葬儀スタイルもオンライン化 スマホでしのぶ故人の思い出

■しのぶばサービスの概要

 サービスのメインは、オンラインでの「故人を偲ぶ会」の開催。博報堂DYグループのイベント企画・映像制作などのノウハウを活用して実施する。サービスは、AD plus VENTUREが複数の葬儀社と連携し、葬儀のオプションとして提供。開催時期は自由に設定ができ、葬儀後・四十九日・1周忌などはもちろん生前葬も可能だ。

 オンライン偲ぶ会は約1時間で実施、進行はプロの司会者が行い、遺族など主催者の負担はない。参列者は、インターネット上で参列登録が可能。主催者から届いたメールから登録ページにアクセスし登録を行うと、参列案内や香典決済案内が届く。故人へのメッセージや思い出写真の投稿機能もある。偲ぶ会の当日は、スマホ・タブレット・パソコンなどで専用の追悼サイトへアクセスし参列する。

 追悼サイトでは、故人の人生史の掲載、サイト投稿されたメッセージや写真で作成したムービー上映、故人への想いを共有する座談会などが実施される。参列できない場合は、香典のみ遺族に渡すことも可能。オンライン香典を渡す手数料などはかからず、そのまま遺族に渡される。香典のみでも追悼サイトの閲覧権限が付与されるため、後日サイトを視聴することもできる。

 その他、葬儀映像の上映や、故人にゆかりのある思い出曲を生演奏で届けたりと、故人を想う場を演出する追加サービスもある。

 しのぶばの対象者は、高齢化・病床・遠方・コロナ対策などで葬儀に参列できない人を想定。2020年版の高齢社会白書によると、2019年10月時点で65歳以上は総人口の28.4%。今後も高齢化率は上昇を続け、2036年には33.3%で3人に1人が65歳以上となるという。

 しのぶばのサービスは、2021年6月7日より開始。葬儀という特別な場でもデジタルシフトが進むのか、イベント的な要素がこれからの世代にはまるのか。今後の動向を追っていきたい。(記事:三部朗・記事一覧を見る

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