双日、ケイマン籍のビジネスチャーター機運行を開始 アジアでの需要増で

2021年5月9日 08:39

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双日が運航するダッソー・アビエーション社の「Falcon7X」(双日の発表資料より)

双日が運航するダッソー・アビエーション社の「Falcon7X」(双日の発表資料より)[写真拡大]

 双日(東京都千代田区)は7日、ケイマン諸島国籍のビジネスジェットチャーター機の運航を開始したと発表した。チャーター事業免許を保有するフェニックス・ジェット・ケイマン社を子会社化し、運行を可能にした。アジアで増加する需要に応える。

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 今回の子会社化で、ダッソー・アビエーション社の「Falcon7X」の運行が可能となった。ケイマンのチャーター事業免許を保し長時間のチャーター運航が可能になったことから、超長距離性能を有する機体を使い、幅広いニーズにも応える。

 双日は2003年から、富裕層や企業が貸し切って使うビジネスジェット事業に着手。2005年に運航管理事業に参画している。2017年には米国籍機体の運行管理を手掛けるフェニックス・ジェット・インターナショナル社を立ち上げた。

 双日によると同社は日本資本が入った唯一の国際オペレーターだと言う。日本のトップエグゼクティブにあわせた仕様できめ細やかな対応を行うことが特徴だ。

 ビジネスジェットは移動時間の短縮やセキュリティを確保できる点が評価され、これまで欧米企業を中心にビジネスツールとして活用されてきた。日本やアジアでも徐々に浸透していたところだったが、新型コロナウイルスの影響で急速に注目が高まった。

 不特定多数の人と接触しないで済むため、素性の知れた少人数で移動したいと考える人や企業が選択している。航空会社が運航を取りやめた場所に行くことができるという利点もあるためだ。

 国境を越えた行き来が制限されても、製薬・マスク関係の企業や、一部のエグゼクティブは世界各国に飛んでいる。「おもてなし」の行き届いたビジネスチャーター機で、中国を中心に増す需要に応える。

 ケイマン諸島は租税回避地(タックスヘイブン)として有名で、リゾート地としても人気が高い。商用や観光で多くの人が訪れている。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る

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