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太陽系外惑星での炭素循環を推定 オランダ宇宙研究所の研究
過去20年間において4,200個を超える太陽系外惑星が発見されているが、その姿や形を直接捉えることはどんなに優れた光学技術を駆使しても不可能である。その理由は恒星に比べて、惑星の直径がはるかに小さいことや、惑星が自ら光を発していないことによる。
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そんな光を発しない捉えどころのない太陽系外地球型惑星における、炭素循環の状態を推定しようという意欲的な取り組みが、オランダ宇宙研究所の研究者らによって試みられ、その内容が5月3日にフランスの天文学術誌Astronomy & Astrophysicsで公開された。
この研究では、太陽系外地球型惑星の質量、放射性元素によるマントル加熱、地球のコアに相当する部分のサイズの3つを説明変数として取り上げ、その惑星の炭素循環の状態を考察している。
この研究の目的は、炭素循環よってその惑星の温度が長期にわたって安定しているかどうかを探り、生命の誕生や進化が起きる可能性があるのかどうかを見極めることにある。例えば太陽は過去数十億年で20%ほど明るくなったが、地球の表面温度はその影響をほとんど受けずほぼ一定の状態を保っているが、これは炭素循環が適切に機能したおかげだという。
炭素循環は炭酸ガスの増減によって起きるが、それは地球上に存在するケイ酸塩の風化速度に左右される。温度が上がればケイ酸塩の風化速度が高まり、炭酸ガスがケイ酸塩の風化により吸収されて濃度が減少するため、やがて温度は低下に転じる。逆に温度が低下するとケイ酸塩の風化速度が遅くなり、炭酸ガスはケイ酸塩に吸収されにくくなる一方で、火山性ガスの発生で炭酸ガスが増加していくため温度上昇が起きる。
つまりプレートテクトニクスに起因する火山活動と、ケイ酸塩の風化作用のバランスが、地球型惑星の炭素循環を支配する。惑星の質量とコアのサイズが分かれば、プレートテクトニクスが起きる条件が整っているのかどうかが分かる。そのため、マントルを加熱する熱源となる放射性元素の種類と量を仮定すれば、炭素循環の状態が推定できるのだ。
この研究は、惑星誕生時のマントル初期温度や、コアとマントルの境界における初期温度が多少異なったとしても、数十億年の歳月によってマントルの温度はほぼ一定の温度に収束することを示唆している。そのような惑星では生命誕生の可能性があるため、生命がいるかもしれない惑星の特定にこの技術が役立つかもしれない。(記事:cedar3・記事一覧を見る)
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