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国内パン市場にブレーキ 20年度の市場規模は3.3%減の1兆5262億円に
国内のパン市場規模推移(矢野経済研究所発表資料より)[写真拡大]
矢野経済研究所(東京都中野区)は20日、2020年度の国内パン市場規模が、前年度比3.3%減の1兆5262億円(見込み)になることを発表した。新型コロナウイルスの影響で食事系パンの在宅需要が急増したが、外出自粛などを受け菓子パンや調理パンの需要が減少した。
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政府による全国一斉休校や外出自粛の要請、在宅勤務の浸透などを背景に、パン業界でも「在宅需要」が増加。量販店やドラッグストアを中心に食パンや食卓パンなど食事系パンの需要は急激に拡大した。
一方、都市部のコンビニエンスストアにおいては来店客数が減少。総菜パンを含む菓子パンカテゴリや、調理パンの売れ行きが鈍化した。都市部のベーカリーや百貨店、商業施設、駅中や駅前の店舗なども営業時間短縮や休業が増え、打撃を受けた格好だ。
少子高齢化が続く日本では、パン市場は長期的には縮小傾向が続く見通しだ。新興国での需要拡大や世界的な天候不順で、小麦粉や油脂類などパンの原材料の調達も難しくなっている。ただ新型コロナウイルスの影響なども考慮すると、今後当面は市場規模が微増で推移する見込み。2021年度以降は微増が続き、2024年度の国内パン市場は1兆6255億円(19年度比3.0%増)になると試算している。
2019年度の国内パン市場規模は、前年度からほぼ横ばいの1兆5786億円だった。パン市場を押し上げる家計所得の増加はなく、パンを含む食品支出は伸び悩んでいた。一方で高級食パンブームが到来し、大手ホールセールメーカーが「メガ食パン」をリニューアルしたり、拘り商品を展開したりするなどが、プラスに働いた。
100円パンやPB食パンなど低価格志向に走っていた消費者のパン消費が変化し、成長を後押ししたが、2020年春先からの新型コロナウイルス感染拡大により、ブレーキがかかった。収束が見通せない中、パン業界ではアフターコロナを見据えて各社が取り組みを始めていると言う。
今回の調査は、パン・調理パンの製造・卸、主要ベーカリーなどを対象に、2021年1~3月にかけて行なわれた。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る)
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