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欧州経済、活動制限長期化も企業活動は堅調 緩やかな回復でコロナ前回復は22年に
日本総研が欧州経済展望4月を発表。新型コロナによる活動制限は長期化、消費の落ち込みは限定的で企業活動は堅調[写真拡大]
欧州でも新型コロナウイルス感染症の流行が続いている。冬シーズンを終え春に向けて一度はピークアウトしたかに見えたが変異型が猛威をふるい、感染状況は未だ高い水準にありフランスでは再び急増局面に入るなど各国とも長期の活動制限が続いている。
4月6日、日本総合研究所が「欧州経済展望2021年4月」を公表している。これによれば、ユーロ圏では新型コロナの感染が再拡大し、これに伴い活動制限が長期化している。英国型の変異株を中心にスペイン以外の主要国で感染者数が再び大幅に増加し、各国政府は活動制限を強化、当面は制限の緩和、解除は困難な状況のようだ。
こうした活動制限下にありながらも個人消費の落ち込みは昨年春に比べれば限定的で、ユーロ圏での1月の小売販売額はコロナ前の水準付近に落ち着いている模様だ。さらに、活動制限の影響を受けやすい新車登録台数の落ち込みも昨年春と比べ半分程度におさまっている。この背景には企業の採用マインドが大幅に改善し失業率の上昇が抑えられており、今後も雇用・所得環境は改善基調で推移し、個人消費も底堅く推移する見通しだ。
企業活動は、製造業が中国経済の回復に伴い堅調に推移するなど回復ペースは加速傾向で、感染者増に伴う活動制限強化の影響は限定的と見られている。一方、Brexit関連の物流の混乱で英国向け輸出が激減している。このため1月のユーロ圏の名目輸出は前月比14.4%と大幅なマイナスとなった。しかし、同月の製造業生産は0.6%の増加と僅かにプラスを維持し、回復傾向は続いている。財消費が横ばいながら、昨年夏以降の在庫減少による中間財の生産の増加が回復基調を牽引したようだ。
先行きについては、英国向け物流の混乱はすでに解消されており英国向け輸出も早期に回復見込みで、また中国を中心とする堅調な外需で製造業の回復は持続する見込みだ。英国は感染拡大に伴う活動制限の強化に加え、物流混乱で再び景況は後退しているが、4~6月期以降は再び回復に転じる見込みだ。ユーロ圏でも活動制限の強化が長期化しているドイツなどを中心に1~3月期はマイナス成長となる見込みだが、今後は活動制限が徐々に緩められ夏に向かって急回復が予想される。しかし、ワクチン接種の普及ペースが緩慢なことから、年内の経済正常化は難しく、コロナ以前の水準への回復は22年以降の見込みとなっている。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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