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景気回復に一服感、輸出は回復持続 消費低迷長期化で回復本格化は秋以降か
日本総研が経済展望4月を公表。景気回復に一服感。輸出は回復基調を持続。企業収益は二極化、設備投資計画はプラス。消費低迷は長期化の見通し[写真拡大]
2018年秋からの景気後退局面は昨年5月に底を打ち、以後回復基調で推移している。3月23日の政府月例報告では「持ち直しの動き」となっているが、4月7日公表の景気動向指数2月分では一致係数が89.0で前月比1.3ポイントの下降となっており、回復ペースに減速感が見られる。
4月6日、日本総合研究所が直近のマクロ諸指標を分析したレポート「日本経済展望2021年4月」を公表しているが、この中では景気の「概況」について「景気回復が一服」と判断されている。景気動向指数については先行指数、一致指数ともに「上昇ペースが鈍化」という判断だ。生産(鉱工業)は「振れを伴いながらも幅広い業種で増産基調」、外需については「春節の影響で一時的に下振れ」、家計は「実質消費は新型コロナの影響で一進一退」「住宅着工は低迷が持続」となっている。外需が春節の影響で一時的に減速したものの生産は好調となっている一方で、家計消費は未だ弱含みのようだ。
2月の輸出数量は前月比6.8%のマイナスと減少した。輸出を牽引しているのは中国を中心としたアジアであり、この減少は中華圏の春節による一過的なもので、1~2月をならしてみると昨年12月の水準を上回っており、輸出の持ち直しの動きは持続していると判断されている。
品目別に輸出動向を見ると、欧米向けを中心とする輸送用機械が下振れしているものの、中国・アジア向けを中心とする資本財と電子部品・デバイスは増加ペースを維持している。背景にテレワーク普及や5G関連、中国での設備投資拡大があり、今後も拡大基調で推移する見込みだ。輸出好調を受け、国内製造業の生産も回復基調が持続するとみられる。
一方、非製造業は日銀短観でプラスに転じ、テレワーク関連で需要増の情報サービスなどは好調なものの、外出自粛や入国規制などコロナ禍の影響が直撃している飲食や宿泊など個人向けサービスは再び景況感が悪化し、業種により景況感の二極化が鮮明になっている。
設備投資はマイナスが続いているものの輸出好調を背景に製造業で業績改善が見込まれ、日銀短観では21年設備投資計画もプラスに反転、先送りされていた投資が再開する動きが見られる。個人消費は緩やかながら回復基調だが、自粛ムードによる低迷は今しばらく持続し、本格的な回復は高齢者を中心にワクチン接種が普及する秋以降になる見通しだ。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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