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上場アパレル企業、春物好調も前年割れが75% うち83%は10%以上減
帝国データバンクが上場アパレル企業の月次売上高動向調査。2月は暖かくなったことで春物商品が好調だが、売上高が前年割れの企業は75%[写真拡大]
昨年暮れから年始にかけて寒波が日本列島を襲ったが、それ以降、特に2月は例年より暖かな日が続いた。このためかアパレル業界では春物の売れ行きは好調のようだ。とは言え昨年初頭からの新型コロナウイルス感染症の流行で外出自粛ムードが定着し、アパレル業界全体の売れ行きは未だコロナ前の水準まで回復していない。
3月24日に帝国データバンクが上場企業のアパレル企業の月次売上高動向調査(2021年2月分)について結果レポートを公表しているが、これによれば、2月のアパレルは7割超が前年割れ、春物商品好調も緊急事態宣言下の影響はぬぐえない状況のようだ。集計の対象となった衣服類販売を手がける上場企業24社のうち本年2月の月次売上高が全店ベースで前年同月を上回ったのは6社で構成比にすると25.0%であった。逆に下回ったのは18社で24社中の75.0%を占めており、アパレル業界全体としては未だ回復傾向には至っていない。
下回った企業は前月1月の20社から2社減少しているが、これは気候が暖かくなったことで春物商品が好調であった企業が多くみられたことが背景だ。しかし、緊急事態宣言が3月まで延長になるなど引き続き新型コロナによる外出自粛ムードの影響を払拭できない結果となっている。
前年同月を下回った18社をみると、減少幅が「10%未満」の企業が4社で16.7%、「10%以上20%未満」が6社で25.0%、「20%以上30%未満」が5社で20.8%、「30%以上40%未満」が1社で4.2%、「40%以上」が2社で8.3%となっており、前年同月比マイナスの企業の83.3%が「10%以上」の大幅な減少となっている。しかし、前月1月は「20%以上30%未満」が37.5%で最も多く、次いで「30%以上40%未満」29.2%であったのに対して、2月は「10%以上20%未満」25.0%が最多で、次いで「20%以上30%未満」20.8%となっており、全体としては減少幅が縮小しているようだ。減少幅30%以上で見ると、1月は9社と急増しているが、2月は3社と減少しており、やはり気温の上昇に伴う春物の好調による改善の動きが見られる。
レポートでは「緊急事態宣言は3月21日をもって解除となったが、一部地域では感染者数が増加傾向にあり、今後の動向は流動的とみられる」と指摘、気候条件に恵まれているもののコロナの影響はしばらく続く見込みだ。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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