チルドレン・オブ・ザ・ディスコーダンス + フェイス.エージェー 2021年秋冬、記憶のブリコラージュ

2021年3月22日 19:30

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記事提供元:ファッションプレス

 チルドレン・オブ・ザ・ディスコーダンス + フェイス.エージェー(Children of the discordance + FACE.A-J)の2021秋冬コレクションが、2021年3月19日(金)、東京・上野の東京国立博物館 表慶館にて発表された。

■朧げな“記憶”をたぐりよせて──

 チルドレン・オブ・ザ・ディスコーダンスの今季の製作は、自身の過去の記憶をゆっくりと辿ることを通して行われたという。明瞭には姿かたちを現さず、朧げに浮かびあがる記憶の光景──“dawn”、すなわち夜明けをテーマとした今季のコレクションでは、そのように色褪せ、霞に沈んだかのような“記憶”の世界を繰り広げる。

■霞に沈むように

 霞に沈みゆく光景──そうした発想をダイレクトに表現するのがテキスタイルのデザインだろう。フード付きのフルオーバーブルゾンやパンツには、忘却に蝕まれるかのようにして、鮮やかで力強い柄が赤と白のグラデーションで表現された。また、スポーティなブルゾンやパーカーなどには、とりどりの色彩を用いた絞り染めを。穏やかに交わる色彩が、揺らめくような力強さを印象付けている。

■穏やかなパッチワーク

 全体として基調にあるのは、個性豊かなテキスタイルをパッチワークすることで構築したウェアだ。しかし、相異なる要素が不協和音を激しく奏でるというよりは、色彩やテイストを緩やかにまとめることで、ある種の穏やかさに包まれている。たとえば、ブランドを象徴するバンダナ柄は、多彩な色彩でもってモンタージュするのではなく、全体をひとつのカラーにまとめ、フーディやパンツ、軽やかなモッズコートなどに用いた。

■多彩な素材が織りなす新鮮な表情

 一方、同じパッチワークを基調とはしつつも、アーカイヴをはじめとする素材が新鮮な表情を与える。光沢感を帯びたスポーティな生地は、MA-1や、ハーフ丈パンツをレイヤードしたようなロングパンツに。トレンチコートやひざ部分にベルトを橋渡ししたパンツには、トーンの異なるカーキのミリタリー素材を組み合わせて。さらに、デニム生地もジャケットやパンツへと再構築しつつ、柄のきいたテキスタイルを織り交ぜて遊び心を効かせている。

■力強いアフリカのテキスタイル

 また、今季のコレクションでは、アフリカと日本の文化を紹介し、互いに橋渡しするプロジェクト「フェイス.エージェー」提供のテキスタイルも使用。バーとドットを組み合わせたブラック×ホワイトのテキスタイルなど、西アフリカ・ブルキナファソの職人の手による素材は、手仕事ならではの力のこもった風合いが特徴的だ。その力強い表情を活かして、ゆったりとした身幅のノーカラージャケットのセットアップに仕立てた。

※本記事はファッションプレスニュースから配信されたものです。ファッションプレスでは、ブランド、デザイナー情報、歴史などファッション業界の情報をお届けしています。

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