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ハウス食品、「食で健康」クオリティ事業への変革で成長目指す
「GABANハーブリッチブレンド」(ハウス食品の発表資料より)[写真拡大]
ハウス食品は、豊かな香りと旨味で料理の味を引き立てる汎用粉末調味料「GABANハーブリッチブレンド」を、2月8日からスーパーなどで販売すると発表した。
【こちらも】ハウス食品、2Qは減収増益 コロナ禍で外食事業が低迷するも家庭内食需要増加により販売が伸長
ローズマリーやバジルなど7種のハーブと、旨味のある岩塩を絶妙にブレンドし、料理にかけて焼くだけで、本格的なハーブの美味しさ、香りを楽しめるようにする。
ハウス食品は、1913年に浦上靖介により大阪で薬種化学原料店「浦上商店」として創業。1928年に「ハウスカレー」を発売、1960年に社名をハウス食品工業へ変更した。
1971年に東京・大阪証券取引所第2部に上場、1973年に第1部へ指定変更となり、2013年、持株会社制へ移行し、現在の商号「ハウス食品グループ本社」へ変更した。
2020年3月期の売上高は2,937億円。事業別の構成比は、国内の香辛・調味加工食品事業が48.1%、健康食品事業が9.3%、海外食品事業が9.9%、壱番屋など国内外でレストラン経営を行う外食事業が17.4%、総菜の製造・販売、食品の分析事業、食材の輸入販売などを行うその他食品関連事業が15.4%を占めるハウス食品の動きを見ていこう。
■前期(2020年3月期)実績と今期見通し
前期売上高は2,937億円(前年比1.0%減)、営業利益は前年よりも14億円増加で3期連続最高益更新となる190億円(同6.5%増)であった。
営業利益増加の要因は、レトルト製品の製造ライン稼働による食の外部化への対応や、パーソナル食品の育成と家庭内食の拡大により香辛・調味加工食品事業で14億円の増益。壱番屋の価格改定効果と海外事業が好調だった外食事業で8億円、タイの機能性飲料の好調で海外食品事業が5億円と、それぞれ増益となった。
一方、ウコンの力など主要ブランドの減収により健康食品事業が9億円、連結子会社ハウス物流サービスの譲渡によりその他食品関連事業が4億円の減益であった。
今上期(4-9月)は、売上高が1,401億円(前年同期比3.1%減)、営業利益が99億円(同8.4%増)の実績となる中、今期は売上高2,850億円(前年比3.0%減)、営業利益185億円(同2.7%減)を見込んでいる。
■中期経営計画(2019年3月期~2021年3月期)による推進戦略
「食で健康」クオリティ企業への変革による成長を目指して、次の事業戦略を推進する。
●1.香辛・調味加工食品事業は、既存事業の強化と新価値創造
・食の外部化に対応して、レトルトカレーの温度帯提案力を強化し、収益力強化。
・スパイス調達改革、生産最適化、スパイスB TO B体制構築をグループ一体で推進。
●2.健康食品事業は、事業基盤の再構築と研究開発力強化による健康戦略素材の事業化
・ゼリー製品や1日分のビタミンの内製化を推進。乳酸菌L-137の事業化を進め、睡眠サポート機能性表示食品ネルノダは育成を目指す。
●3.海外食品事業は、グループ成長のコア事業として重点エリアで成長強化
・米国では、豆腐生産体制の拡充と大豆新事業を創出。中国は、生産能力増強によるカレー事業の拡大。アセアンでは、機能性飲料拡大と日式カレー需要の創出を目指す。
●4.外食事業は、成長に向けた経営基盤強化
・テイクアウトやデリバリーの強化とカレーのインド1号店出店。
●5.その他食品関連事業は、収益基盤の強化
・物流事業は、食品企業との共同取組体制を推進。コンビニエンスストア向け総菜事業の開発力を強化。
コロナ禍の中、「食と健康」クオリティ事業への変革に向けて着実な歩みを見せているハウス食品の動きを見守りたい。(記事:市浩只義・記事一覧を見る)
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