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12月4日公開! 映画『魔女がいっぱい』の英語を楽しむ3つのポイント
「魔女がいっぱい」(c) 2020 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.[写真拡大]
イギリス児童文学の名作を映像化した新作映画『魔女がいっぱい』が、12月4日から全国の映画館で公開される。
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『プラダを着た悪魔』などで知られる女優アン・ハサウェイが扮する魔女の特殊メイクや、豪華な衣装が話題となっているこの作品。児童文学が原作のため英語もわかりやすく、楽しみながら色々な英語に触れることができる。
ここでは映画『魔女がいっぱい』を英語で楽しむためのポイントを3つ、未鑑賞者に対しても配慮しつつ解説したい。
■アフリカ系アメリカ人の英語
本作の舞台は1960年代末のアメリカ南部アラバマ。主人公の1人であるヒーロー・ボーイや彼の親代わりであるおばあちゃんは、アフリカ系アメリカ人という設定だ。さらにナレーション(成長したヒーロー・ボーイの声)も含めて、その他の登場人物にもアフリカ系アメリカ人が多い。
このため本作では、アフリカ系アメリカ人の特徴的な英語を耳にすることができる。例えば音声に関しては、myが「マー」、sisterが「シスタ」のように母音や子音が変化するほか、独特の抑揚が存在する。
中流階級でもリラックスした場所でよく使われるアフリカ系アメリカ人の英語に触れるよい機会であるため、全編注意して聞いていただきたい。
■大魔女の英語
アン・ハサウェイが演じる大魔女(グランド・ハイ・ウィッチ)が話す英語も独特のクセがある。例えば、濁らないthをtの音で発音したり、rを巻き舌で発音したりするなど、標準的なアメリカ英語とは明らかに異なる。
エンタメサイト「コライダー」によれば、原作でノルウェーに住んでいる設定の大魔女のセリフ回しには、ハサウェイも苦心したそうだ。
まず現代のノルウェー語やスウェーデン語だが、これらの言語は現代的で明るいため、何百歳かわからない魔女の恐ろしさが伝わらない。
そこで方言指導のジョーン・ワシントンは、中世のスカンディナヴィア人が使っていたと考えられる「古ノルド語Old Norse」を参考にすることを提案。インターネットで文学研究者がノルド語の詩を朗読している音声を入手して、演技の参考にしたそうである。
■mouseとratの違い
映画『魔女がいっぱい』では、ネズミが何匹も登場して重要な役割を果たす。
この「ネズミ」にあたる英語だが、mouse(複数形:mice)とratの2つが日常的に使われる。種によった厳密な区別はなく、小さいネズミをmouse、大きいネズミをratというように使い分ける。
ファンシーラットと呼ばれるペットのネズミにはmouseを使うことが多く、人間に害を与えるようなネズミはratと表現することが多い。特に本作の序盤における大魔女とホテルの支配人との会話は、このニュアンスの違いを意識するとより楽しめる。
ホテルにペットの持ち込みは禁止であると説明する支配人に、「ネズミ(mice)はどうなの」と聞き返す大魔女。Mouseにはratほど悪い意味はないのでいぶかる支配人に、彼女は「ホテルでネズミが走り回っていたらどうするの」と畳み掛ける。意味のわかった支配人は「駆除業者(exterminator)を呼びます」と答える。
この答えに満足した大魔女は「…, he would exterminate those brats!(ちびネズミどもを駆除してくれるそうよ!)」と仲間に伝える。
ここで仮に「ちびネズミ」と訳したbratsという単語は、本来「行儀の悪い子ども」を意味する口語表現。語源的には無関係だが、ネズミのratsにかけたセリフだ。
実はこのセリフ、大魔女が胸に秘めたある陰謀を暗示しているが、その顛末は映画でお楽しみいただきたい。(記事:ベルリン・リポート・記事一覧を見る)
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