10月のバイト・パート時給、プラス維持も地方に厳しさ

2020年11月15日 17:16

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 求人サイトを運営する各社が10月のアルバイトやパート時給を発表し、全国的には前年同月比プラスとなったものの、地方を中心に厳しい状況が垣間見られることが分かった。

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■約2年半ぶりに1%台の増加率に留まる

 12日、リクルートジョブズが10月度のアルバイト・パート募集時平均時給調査を発表した。3大都市圏(首都圏・東海・関西)の平均時給は前年同月比14円(1.3%)増の1,088円となり、プラスは続いているものの18年6月(前年同月比:1.9%)以来となる1%台の増加率に留まった。

 職種別で時給が大きく上がったのは、販売・サービス系のチラシ・パンフレット配布が1,213円(前年同月比:40円増、以下同じ)、製造・物流・清掃系の製造・生産(重工業除く)が1,145円(108円増)、営業系のテレフォンアポインターが1,389円(87円増)、専門職系の塾講師が1,318円(91円増)。反対に時給が下がったのは、レジャー施設業務全般が1,049円(40円減)、ホテルフロントが1,090円(49円減)、ホテルスタッフが1,049円(33円減)、冠婚葬祭スタッフが1,072円(29円減)と販売・サービス系が多い。

 都市圏別では、首都圏が前年同月比15円(1.3%)増の1136円、東海圏が同2円(0.2%)増の1,003円、関西圏が同25円(2.4%)増の1,066円となり、3圏域ともプラスとなっているものの、全国同様に増加率は低めとなった。

■関西のみ好調、関東・九州はマイナス転落

 同日、ディップが10月度のアルバイト平均時給調査を発表した。全国の平均時給は前年同月比9円(0.8%)増の1,116円となり、2カ月連続でプラスとなったものの、9月は2.1%増だったためリクルート同様に増加率は減少している。

 職種別で時給が大きく上がったのは、事務的職業の営業その他が1,535円(前年同月比:316円増、以下同じ)、事務・データ入力が1,409円(285円増)、専門的職業の医療・介護・福祉その他が1,449円(336円増)、調査業務が1,772円(612円増)、飲食の業務の居酒屋・バーが1,291円(190円増)、サービスの職業のイベント関連が1,726円(293円増)、モデル・エキストラ・芸能関連が2,509円(743円増)と事務職やサービス業で目立つ。

 反対に時給が下がった職種には、専門的職業のSE・PG・エンジニア・運用が1,201円(85円減)、看護・介護が1,276円(331円減)、薬剤師・登録販売者・薬局が1,248円(73円減)、サービスの職業のレジャー・娯楽施設が1,034円(72円減)と専門的職業が目立つ。

 地域別では、関東は前年同月比6円減の1,154円、東海は同40円減の1,042円、関西は同112円増の1,232円、九州は同33円減の967円。関東と九州はマイナスに転落、東海は7月から4カ月連続でマイナス、関西のみプラスだった。

■北海道・四国・九州で厳しく

 13日、マイナビが10月度のアルバイト・パートの平均時給レポートを発表。全国の平均時給は前年同月比32円増の1,122円だった。

 職種別で時給が大きく上がったのは、営業の営業が1,410円(前年同月比:166円増、以下同じ)、アパレル・ファッション関連のその他アパレル・ファッションが1,129円(159円増)、イベント・キャンペーンのアンケート・調査・企画が1,357円(326円増)、イベント企画・運営が1,530円(305円増)、サンプリング・PRが1,521円(149円増)とイベント関連の業種が目につく。

 反対に時給が下がったのは、販売・接客・サービスのカウンター業務が1,065円(157円減)、家電量販店が1,028円(139円減)、携帯販売が1,263円(193円減)、教育の家庭教師が1,455円(310円減)、営業のルートセールスが939円(211円減)、医療・介護・保育の薬剤師・登録販売者が1,124円(293円減)、オフィスワークのその他オフィスワークが1,141円(116円減)、テレフォンアポインター・テレマが1,110円(285円減)と接客業やオフィスワークが目立った。

 地域別では北海道・東北が964円(13円減)、関東が1,203円(39円増)、東海が1,081円(34円増)、甲信越・北陸が1,058円(85円増)、関西が1,108円(29円増)、中国・四国が974円(9円増)、九州・沖縄が970円(16円減)で、7地域中5地域でプラスだった。

 都道府県別では栃木県が1,110円(104円増)、群馬県が1,022円(129円増)、新潟県が1,085円(127円増)、山梨県が1,144円(164円増)、長野県が1,092円(108円増)と100円以上伸びた県が目についた一方、北海道が984円(28円減)、福井県が918円(42円減)、徳島県が911円(23円減)、高知県が886円(39円減)、佐賀県が921円(31円減)、長崎県が311円(34円減)と四国や九州でマイナスの県が目立っている。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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