JR東日本、新幹線の自動運転に向けて試験実施へ E系車両で

2020年11月11日 11:57

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●夢の技術が現実になる自動運転

 JR東日本は10日、同社が運行しているE7系車両を用いて、新幹線の自動運転試験を実施すると発表した。自動運転試験は2021年10月ごろから11月ごろにかけて実施される予定で、それまでの期間で自動運転に必要な設備面での準備を進める。列車の自動運転は同社の在来線においても実施計画があり、これと並行して夢の技術を現実にするための試験が行われる。

【こちらも】JR東、常磐線に自動列車運転装置(ATO)導入 JRでは初 2020年度末から

●鍵となるATOの開発

 列車の自動運転を可能とするシステムとして重要なものに、ATO(自動列車運転装置)がある。今回の試験はこの研究開発の一環として、上越新幹線の新潟駅と新潟新幹線車両センター間の線路を用いて行われる。営業運転では行わず、回送列車を利用して実施され、試験の結果を元にして評価と課題を抽出する。

●ATOのポイントは4つの制御

 今回の自動運転装置(ATO)の開発ポイントとして、「列車の準備が整ったところで遠隔で発車する」「自動的に列車の加速・減速を行う」「緊急事態が発生した際には遠隔で列車を停止する」「自動で決められた位置に停車する」がある。

 新幹線を運転する集中制御センターから、上記の4つのポイントを満たした制御ができるのかがポイントになる。また新幹線では、最高速度やダイヤを決定する際にATC信号を利用している。このATCとの連携も実証実験ではポイントになる。

●制御はローカル5Gを利用して行う

 新幹線の制御に関しては、ローカル5G回線を利用する。新幹線の線路沿いにローカル5Gの基地局を設置し、ここから運行シグナルや走行中のデータなどが転送されてくる。5G回線が鉄道を制御することに適しているかなどが検証される。

 実際の鉄道に導入されるかどうかはまだまだ不透明な部分が多い。特に新幹線は高速で走行するものであること、また橋梁やトンネルなど電波が届きにくいところも多く、こうした課題をクリアしなければ、実用化は難しい。(記事:speedbird・記事一覧を見る

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