ユーロ週間見通し:伸び悩みか、7-9月期GDPが手掛かり材料に

2020年10月24日 14:36

印刷

記事提供元:フィスコ


*14:36JST ユーロ週間見通し:伸び悩みか、7-9月期GDPが手掛かり材料に
■堅調推移、ソーシャルボンド需要を好感したユーロ買い

今週のユーロ・ドルは堅調推移。欧州連合(EU)が初めて発行するソーシャルボンドにへに対して2330億ユーロの需要が確認されたことがユーロ買いにつながった。ただ、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁が「ウイルスの再燃が経済の見通しの明らかなリスクになる」と発言したことや、ユーロ圏10月消費者信頼感指数速報値の悪化を受けてユーロ買いはやや一服。取引レンジ:1.1703ドル-1.1881ドル。

■弱含みか、年内追加緩和の思惑残る

来週のユーロ・ドルは、弱含みか。10月29日開催の欧州中央銀行(ECB)理事会で金融政策の据え置きが決まる公算だが、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)拡大への思惑は消えていないため、目先的にリスク選好的なユーロ買いは抑制される可能性がある。7-9月期域内総生産(GDP)が予想を下回った場合もユーロ売り材料となる。

予想レンジ:1.1750ドル−1.1900ドル

■強含み、中国経済の順調な回復が好感される

今週のユーロ・円は強含み。中国経済の順調な回復が好感され、米国の追加経済対策への早期合意期待も続いたことから、リスク選好的なユーロ買い・円売りが先行した。ただ、米追加経済対策をめぐる不透明感や欧州域内における新型コロナウイルスの感染拡大が懸念され、ユーロ買い・円売りは一服した。取引レンジ:123円37銭−125円00銭。

■伸び悩みか、7-9月期GDPが手掛かり材料に

来週のユーロ・円は伸び悩みか。欧州中央銀行(ECB)の金融政策は現状維持の公算だが、12月のパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)拡大など一段の追加緩和への思惑は消えていない。10月30日発表の7-9月期域内総生産(GDP)速報値が市場予想を下回った場合、ユーロ圏の景気回復の遅れを嫌気したユーロ売りが強まる可能性がある。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・29日:欧州中央銀行理事会
・30日:7-9月期域内総生産速報値(4-6月期:前年比-14.7%)
・30日:9月失業率(8月:8.1%)

予想レンジ:122円00銭−125円00銭《FA》

関連記事