ベテルギウス、考えられていたよりも小さく地球に近い位置にあるか

2020年10月21日 08:32

印刷

記事提供元:スラド

headless 曰く、 ベテルギウス(オリオン座α星)がこれまで考えられていたよりも小さく、地球に近い位置にあることを示す研究成果をオーストラリア国立大学や東京大学などの研究グループが発表した(オーストラリア国立大学のニュース記事SlashGearの記事論文アブストラクト)。

ベテルギウスは2019年後半から2020年初めにかけて急速に減光し、その後増光に転じて2020年4月までに元の明るさに戻っている。減光が急速だったことから超新星爆発の兆候ではないかとも話題になったが、ベテルギウスが通常の2倍の量の物質を放出し、物質が冷えて塵となる様子をハブル宇宙望遠鏡がとらえている。物質は地球の方向へ放出されたため、手前を覆った塵で減光したとみられている。

研究ではModules for Experiments in Stellar Astrophysics(MESA)ソフトウェアを用いて脈動および流体力学モデルのシミュレーションを行い、ベテルギウスが恒星進化のどの段階にあるのかを調べている。その結果、ベテルギウスの核ではヘリウムが燃焼している段階であり、超新星爆発が起きるのはおよそ10万年後になるという。

ベテルギウスの大きさについては諸説あるが、最近の研究では木星の軌道よりも大きいことが示唆されている。しかし、今回の研究成果ではその3分の2程度、太陽の半径の750倍程度の半径であることが示された。この大きさから計算された地球とベテルギウスの距離は530光年程度、これまで考えられていたよりも25%近いとのことだ。

 スラドのコメントを読む | サイエンスセクション | サイエンス | 宇宙

 関連ストーリー:
ベテルギウスの急速な減光の原因とみられる現象、ハブル宇宙望遠鏡がとらえていた 2020年08月15日
ベテルギウスの減光が停止、増光に転じ始める 2020年03月04日
オリオン座のベテルギウス、急速に暗くなる 2019年12月28日
ベテルギウスに爆発の兆候? 2010年01月11日
オリオン座のベテルギウス、急速に収束。爆発の可能性も? 2009年06月13日

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連キーワード

関連記事