ジャコビニ流星群、10月8日にピーク迎える

2020年10月7日 07:12

印刷

 ジャコビニ流星群は太陽の周りを約6.6年周期で周回しているジャコビニ・ジンナー彗星がもたらすもので、毎年10月上旬頃に出現している。また、約13年に1度大出現することも知られている。1933年にはヨーロッパで、また1946年にはアメリカで流星嵐が観測されている。日本でも1972年に大出現の絶好のチャンスと騒がれたが、その年は空振りに終わり、1985年、1998年には1時間に100個程度の流星が観測されている。

【こちらも】JAXAら、りゅう座流星群の起源となる彗星から有機物を発見 木星近辺で誕生か

 3大流星群、つまり1月4日頃のしぶんぎ座流星群、8月13日頃のペルセウス座流星群、12月14日頃のふたご座流星群だけが、テレビのニュースで取り上げられ、ジャコビニ流星群は残念ながら一部の短門マニア以外の人間にとっては完全にマイナーな存在だ。だが条件がそろえば、3大流星群を凌ぐ出現数も期待できるのだ。

 今年は当たり年ではないにしろ、ジャコビニ流星群は毎年1時間あたり数個の流星出現が確認されているため、願い事をかなえてもらいたいのであれば、じっくりと夜空を眺めてみてもいいだろう。もちろん空振りの可能性もあるが、たまには落ち着いて星空に癒されてみるのも悪くないだろう。

 10月8日の21時頃が、予想される出現ピーク時刻なので宵の頃から深夜にかけてが、流星に願いをゆだねるための願掛けタイムになる。ジャコビニ流星群の正式名称は「10月りゅう座流星群」と呼ばれ、流星が出現するのはりゅう座付近である。とはいえりゅう座は、目印になるような明るい星もなく、目立たない存在なので、その近くに明るく輝いていること座のベガや、白鳥座のデネブのあたりを眺めてみるのが良いだろう。

 2020年は本来であれば東京オリンピックで世界中が沸いていたはずであった。そのため、ジャコビニ流星群も見向きもされなかったことだろう。だが、オリンピックが1年延期されたおかげで、私たちはオリンピック報道に邪魔されることなくのんびり秋の夜空を楽しむことができる。

 現在は南西の夜空にどの恒星よりも明るい木星が輝き、しかもその近くに土星も見えている。もしも運悪く流星に出会えなかったとしても、きっと夜空に感動をもらえることだろう。次の当たり年である4年後の2024年にはまたオリンピックがある。その頃には新型コロナが沈静化して、のんびりと流星群を堪能できる状況になっていてほしいものである。(記事:cedar3・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事