新型コロナに感染しやすい人? 重症化しやすい人? 分かり始めた感染リスク!

2020年8月27日 17:24

印刷

 感染拡大が続く新型コロナウイルスに関しては、世界中の研究機関であらゆる研究が進んでいる。ワクチンや治療薬はその最たるものとして、1番乗りを目指した熾烈なスピードレースが繰り広げられている真っ最中だ。

【こちらも】研究が進む新型コロナ! BCGとビタミンDが効いている? 血液がO型の人はA型よりも安全?

 その他にも、症状の特徴や後遺症の有無と内容、どんな属性を持つ個人に高い感染リスクがあるのかという研究も進行中だ。

 現在までに公表されている(全てが検証済とは言い難いが)ものをいくつか見てみると、

 (1)薄毛の人は感染リスクが高い
【理由】薄毛の人は男性ホルモンの1種であるテストステロンの分泌が多い。

 《説明》男性ホルモンの多い人に薄毛の人が多い。前立腺がんの治療でテストステロンを減少させるADT(男性ホルモン遮断)薬を、使用した人と使用していない人との1万人当りの感染者数で比較すると、ADT薬を使用した場合 1万人当り8人だったが、ADT薬を使用していない場合 同31人と4倍近い差が見られた。(イタリア バドバ大学などの研究チーム)

 (2)歯周病の人は感染リスクが高い
【理由】舌の表面と唾液腺にあるACE2受容体から、コロナウイルスが侵入する。

 《説明》歯周病の人は身体のバリアである粘膜が破壊されている上に、ACE2受容体が多いから。(メキシコ バハカリフォルニア大学)

 (3)肥満の人はコロナが重症化しやすい
【理由】研究結果

 《説明》肥満体型でBMI35(身長175cm、体重100kg)の人は、標準体型でBMI20(身長170cm、体重58kg)相当の人よりも3倍重症化した。(中国・温州医科大学の研究チーム)

 (4)ストレスを感じにくい人は感染しにくい
【理由】ストレスが免疫力を弱める 

 《説明》既に確立した知見による

 (5)血液型がA型の人は重症化しやすい
【理由】血液型がA型の人は、感染後呼吸器不全発症リスクがO型の人の2倍になる。

 《説明》感染者1600人以上と非感染者2200人の遺伝子を比較したところ、A型は感染後呼吸器不全発症リスクが平均より45%高く、O型は35%低かった。平均を100とするとA型の発症リスクは145であるのに対して、O型は75になる。(米マサチューセッツ内科外科学会発行の『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』誌)

 現在までに判明しつつあるここまでの条件を総合すると、「血液型がA型で薄毛の肥満で歯周病を患っている上に、ストレスを感じやすい悲観的な男性」は、感染しやすい上に重症化するリスクが高いため、感染防止対策を徹底した方が良いと言えるようだ。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事