退院直後の患者のコロナ陽性が判明、病院が執った措置

2020年8月10日 11:10

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 実話・実体験である。だが悪戯に炎上を起こしてもならないと考え、固有名詞等の実名は避ける。周知の通り新型コロナウイルス感染者が全国的に増加を続けている。禍に収束の兆しは残念ながら見られない。

 私は月に2回、近場の総合病院に出かける。7月29日(水)には睡眠導入剤を処方してもらうために、8月1日(土)には「血圧」「糖尿病」の検査・処方箋を出してもらうために出かけた。

 29日に出かけた時は、入口付近の様子は従来通りだった。「最近、渡航歴はありますか」にはじまり「風邪のような症状はありませんか」など10項目近い質問をされ、首筋に非接触型の体温計を向けられ「36度5分」と測られ「入室手続き済」のシールをウエアの肩口に張られ「アルコール消毒」をして受付に向かった。が、1日は、普段と様子が違っていた。

 入口の列が長かった。そして来訪者1人1人と病院スタッフとの遣り取りが、これまでより長かった。私の番になった。スタッフは私にこう告げた。

 「実は今週の月曜日に退院された患者さんが、退院後に発熱など体調変化を感じ問い合わせを受けた。管轄の保健所に連絡を取り、RCP検査を受け新型コロナウイルス感染陽性という結果が出た。この患者さんは入院中に外来病棟でも診察を受けている」とした上で、「本日の外来はどうされますか」と問われた。

 入口のスタッフは病院の方針に沿って伝え、問うただけであろう。だが私には若干の違和感があり、いわゆる「お薬手帳」を携え他の総合病院に行った。そこで分けを話し、手帳を示して、いつもと同じ薬を処方してもらった。

 事実を公に伝えたのは、4日付けの地元紙:電子版(12時9分)だった。

★3日に80代の男性入院患者の退院後の感染が確認された。

★このため●●病院は、自治体の専門家対策チーム「COVMAT」の選定基準に基づき病院の関係者168名のPCR検査を行い、入院患者14人と職員10人の感染が判明した。残りの68人の結果を待っている。

★●●病院では新型コロナウイルス感染者の引き受けはしていない。件の80代の男性も別の病気で入院していた。入院患者については引き続き院内で治療を行っているが、外来診療や健康診断は中止している。

 こんな体験からいま思うことは、●●病院は所轄の保健所と相談をして措置を執ってきたのだろうが、前記の通り病院のスタッフは「入院患者が退院後、陽性が確認された・・・今日はどうされますか」とした。陽性を知った時点で、●●病院には執るべき別の措置策があったのではないだろうか。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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