欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、米中対立で円買いも米雇用統計でドル売り後退

2020年8月7日 17:25

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記事提供元:フィスコ


*17:25JST 欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、米中対立で円買いも米雇用統計でドル売り後退
7日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想したい。米中対立の先鋭化を背景にリスク回避の円買いが先行する見通し。半面、米雇用統計で失業率が想定に沿った内容となれば、先行きを懸念したドル売りは後退しそうだ。

トランプ米大統領は6日、動画アプリ「TikTok」を提供するバイトダンス、コミュニケーションアプリ「WeChat」のテンセントに国家の安全保障を理由に売却を求め、応じない場合は45日後に米国での運営を禁止するとの大統領令に署名した。本日アジア市場では米中対立の先鋭化は必至との見方から、日経平均株価や上海総合指数などアジアの主要指数が下落。リスクオフのムードで安全通貨のドルや円、スイスフランが買われる展開となった。ユーロ・ドルは調整の売りも観測され、ドル・円は105円半ばで底堅く推移している。

この後の海外市場では引き続き米中対立が注視され、安全通貨買いの地合いが見込まれる。焦点の米7月雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比+150.0万人(6月+480.0万人)、失業率は10.5%(同11.1%)、平均時給は前年比+4.2%(同+5.0%)と予想される。毎週発表される新規失業保険申請件数が高止まりしているほか、前回からの反動もあり雇用者数の大幅減は織り込み済み。一方、失業率が前回から低下すれば雇用情勢の一段の悪化を懸念したドル売りは縮小しよう。ドル・円は狭いレンジ内ながら、下値の堅い値動きとみる。

【今日の欧米市場の予定】
・21:30 米・7月非農業部門雇用者数(予想:+150.0万人、6月:+480.0万人)
・21:30 米・7月失業率(予想:10.5%、6月:11.1%)
・21:30 米・7月平均時給(前年比予想:+4.2%、6月:+5.0%)
・21:30 カナダ・7月失業率(予想:11.2%、6月:12.3%)
・21:30 カナダ・7月雇用者数増減(予想:+36.5万人、6月:+95.29万人)
・23:00 米・6月卸売在庫改定値(前月比予想:-2.0%、速報値:-2.0%)
・04:00 米・6月消費者信用残高(予想:+100.0億ドル、5月:-182.8億ドル)《FA》

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